SFAやCRMが定着しないときは、会議で見る数字と必須の項目を決めよう|SFA/CRM導入の発注ノウハウ

ローカルグローススタジオは、『地方企業にスタートアップのような成長を』というテーマで、コンテンツ発信と支援サービスを展開しています。この記事では、実践的なビジネスノウハウを、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。

SFAやCRMを入れたものの、入力しているのは一部の人だけで、会議では結局口頭で報告している会社があります。お客様の情報が担当者ごとのExcelとメールの中にあり、今月の商談数と受注の見込みを出すたびに手作業で集計している会社もあります。

SFA(Sales Force Automation)は、一般に営業支援システムと訳されます。提供会社の1つであるセールスフォース・ジャパンは、営業活動の顧客情報や商談の進み具合を一か所で管理して見えるようにするITツールと説明しています。

CRMは、Customer Relationship Management(顧客関係管理)の略です。同社は、既存のお客様と、これからお客様になりうる相手との接点を管理するシステムと説明しています。

HubSpotやSalesforceのように、SFAとCRMの両方の機能を1つの製品で扱えるツールもあります。

SFAやCRMは、お客様の情報、問い合わせの経路、商品などのデータを入れ、どこに問題点や改善の兆しがあるかを見つけるための道具です。そのため、基本の情報を入れて更新し続けることが、使いこなすための基礎になります。

ただし、細かすぎる入力項目や、会議で見ない項目は、入力がおろそかになります。どこまで細かい項目を入力してもらうかは、事業モデルや営業の人数によって変わります。

社内に定着しないときは、まず会議で毎回どの数字を見て何を決めるかを書き出し、必ず入力してもらう項目を決めます。そのうえで、その数字を会議で定期的に振り返ります。商談の進み具合を段階に分けるときも、その段階は、お客様がどこまで検討を進めているかで決め直します。

必須の項目と入力する人が決まり、入力した内容を会議で定期的に振り返るようになれば、口頭の報告と手作業の集計の代わりに、ツールの画面に出る数字から問題点や改善の兆しを探せます。

この記事は、「SFA/CRM導入」について、2種類の読者に向けて書きました。私たちのSFA/CRM導入は、商談の段階の定義書、入力ルール、設定済みのCRM、会議で使う画面(ダッシュボード)、運用手順書を作る支援です。

1つは、SFAやCRMを使いこなすと何が変わるのか、まだイメージを持てていない方です。もう1つは、イメージはあるものの、自社で立て直せるのか、外部の専門家に頼むべきか迷っている方です。

前半は、まだイメージを持てていない方に向けて、私たち(ローカルグローススタジオを運営するつなぐスタジオ)がご支援している会社で行ったHubSpotの設計と、SFA/CRM導入で決まること、費用をかけずに始める順番を書きました。

後半は、外部に頼むか迷っている方に向けて、自社で進める範囲と外部に頼む範囲の境目、外部への頼み方と顧客情報の扱い、費用と補助金、目標にする数字の決め方と納品物の確かめ方を書きました。

この記事で分かること

まだイメージがない方向け

  • 問い合わせの経路と商品カテゴリーを選ぶ項目や、営業部が件数を見る画面の設計などの私たちの支援事例の紹介
  • 経路や商品ごとの数字を画面に出すと、手作業で集計せずに会議で問題点を探せる
  • 目的は、データから問題点や改善の兆しを見つけ、担当者が替わっても商談の経過を残すこと
  • 基本の情報は更新し続け、会議で見る数字と必須の項目を決めて振り返る

イメージはあるが次の一手に迷う方向け

  • 必須の項目を決めて試すまでは自社ででき、分析に使う項目と画面の設計は専門家に頼むと早い
  • 段階と項目を社内で決められているなら、設定だけを頼めばよい
  • 自分で進めるなら、ExcelやGoogleスプレッドシートと、ツールの無料版で始められる
  • 目標は、必須項目の入力率と集計の手間を、段階と項目を見直す前と比べて決める
  • 納品物は、段階の定義、項目の使い道、画面、手順書、管理者の権限で確かめる

1. 経路や商品ごとの数字を画面に出せるようにすると、手作業で集計せずに会議で問題点を探せる

私たちは、問い合わせの経路と商品カテゴリーを選ぶ項目と、営業部が件数を見る画面を設計した

私たちは、法人から問い合わせを受けている製造卸の会社で、HubSpotの項目の設定、ダッシュボード、レポートなどの活用支援を行っています。

商談(HubSpotでは「取引」)の記録には、問い合わせがどの経路から来たかと、どの商品カテゴリーの相談かを選ぶ項目を作りました。あわせて、営業部が問い合わせの件数、商談の段階ごとの件数、問い合わせの経路を見られる画面も設計しました。

SFA/CRM導入で作る5つのもので、誰が、いつ、何を入力し、会議で何を見るかが決まる

SFAやCRM(営業支援と顧客関係管理のシステム)の導入で私たちが作るものは、次の5つです。ツールの設定より先に、段階の定義と入力ルールを決めておきます。

作るもの中身できるようになること
商談の段階の定義書商談をいくつの段階に分け、お客様の検討がどこまで進んだら次の段階に移すかです担当者が同じ条件で段階を進めるので、段階ごとの件数から受注の見込みを読めます
入力ルール誰が、いつ、どの項目を入力するかです入力する人と時期が決まり、会議の前に数字がそろいます
設定済みのCRM決めた段階と項目を設定し、基本の情報と、会議で見る数字を出すのに要る項目を必須にしたツールです必須にした項目が、空欄のまま残りにくくなります
ダッシュボード会議で見る数字を1つの画面に並べたものです口頭の報告と手作業の集計の代わりに、画面を見て問題点を探し、次の一手を決められます
運用手順書新しい担当者の入力の始め方、項目を足すときの決め方、画面の見方です担当者が替わっても、同じ決まりで入力を続けられます

2. 何を目的にするか

目的は、データから問題点や改善の兆しを見つけることと、担当者が替わっても商談の経過が残ること

地方企業におけるファネル分解を考える(ザモデルの分業は地方企業でも可能なのか?)では、地方企業が陥りやすい落とし穴の1つとして、営業ツールの過剰導入を挙げました。高額なCRMやSFA(顧客関係管理と営業支援のシステム)を導入したものの、活用しきれずに形骸化してしまう例です。

同じ記事では、いちばん大事なのはツールを入れる目的をはっきりさせることで、「可視化して改善するため」という目的が共有されていれば、最初は簡易的なツールでも効果があると書きました。

SFAやCRMの目的は、次の2つに置くことをおすすめしています。1つは、お客様の情報、問い合わせの経路、商品などのデータを経路や商品ごとに分けて画面で見て、どこに問題点や改善の兆しがあるかを見つけることです。そのうえで、どの商談に手をかけるかや、経路や商品ごとの打ち手を会議で決められます。

もう1つは、営業担当が辞めたり異動したりしても、その人が進めていた商談の経過が記録に残ることです。

どちらの目的も、基本の情報が入っていて、新しい状態に更新されていることが前提です。そのうえで、会議で毎回どの数字を見るかを決めると、基本の情報のほかに必ず入力してもらう項目が決まります。

3. どこから始めるか

まず、今の営業の流れを書き出し、会議で毎回見る数字を決める

ファネル分解の記事では、少人数の組織が週に1回見る数字として、新規の見込み客の数、商談の数、提案の数、成約の数の4つを挙げました。

始めるときは、次の順で進めます。

1. 問い合わせや紹介から受注までに、お客様と何回、どんな場面で会うかを書き出します

2. 会議で毎回見る数字(商談の数や受注の見込みなど)と、その数字を見て何を決めるかを書き出します

3. その数字を出すのに、商談ごとに何が分かればいいかを書き出します

商談の段階は、お客様がどこまで検討を進めているかで決める

商談の段階を「訪問した」「見積もりを出した」のように、こちらがしたことで決めると、見積もりを出しただけでお客様の検討が進んでいない商談も、検討が進んだ商談と同じ段階に並びます。そうなると、段階ごとの件数を見ても受注の見込みを読めません。

段階は「お客様が課題を認めていて、予算を確保する時期が分かっている」のように、お客様がどこまで検討を進めているかで決め、次の段階に移す条件も書いておきます。

失注も、初回の商談で失注したものと、商談が進んでから失注したものに分けておくと、早い段階と進んだ段階のどちらで失注が多いかを集計できます。

HubSpotの既定の商談の流れは、アポイントの設定から始まり、成約と失注で終わる段階に分かれています。段階の名前と数は変えられるので、自社で決めた段階に合わせて設定します。

基本の情報は更新し続け、会議で見る数字と必須の項目を決めて振り返る

お客様の情報、問い合わせの経路、商品、商談の段階のような基本の情報は、営業担当の全員が入力し、商談が動くたびに更新します。経路や商品ごとに数字を分けて見ることで、どこに問題点や改善の兆しがあるかを見つけられるためです。一部の人の入力が欠けると、経路や商品ごとの数字が実際の商談と合わなくなり、その数字から問題点を見つけにくくなります。

ただし、細かすぎる項目や、会議で見ない項目は、入力がおろそかになります。項目を細かくするほど1件の商談を入力するのにかかる時間が長くなり、会議で見ない項目は、入力した人がその内容の使い道を目にする場面がないためです。

そのため、まず会議で毎回どの数字を見て何を決めるかを書き出します。そのうえで、基本の情報に加えて、その数字を出すのに要る項目と、担当が替わったときに経過を追うのに要る項目を、必ず入力する項目にします。項目ごとに、会議のどの数字や引き継ぎに使うかと、誰がいつ入力するかを書いておきます。

必須にする項目をどこまで細かくするかは、事業モデルや営業の人数によって変わりますが、基本の情報を入れて更新し続けることは、どの会社でも同じです。

必須にする項目が多いときも、段階が進んでから分かる項目は、最初から入力を求めず、その段階に移すときに入力を求める形にできます。HubSpotでは、商談を特定の段階に移すときに入力を求める項目を設定でき、その項目を「必須」にすると、値を入れるまで記録を作ったり更新したりできなくなります。

決めた数字は会議で定期的に振り返り、経路や商品ごとの数字から問題点や改善の兆しを探します。あわせて、空欄が多い項目や会議で使われていない項目がないかを確かめ、項目を見直します。項目を後で足すときも、会議のどの数字に使うかと、誰がいつ入力するかを決めてから足します。

ツールに設定する前に、決めた段階と項目をExcelやGoogleスプレッドシートで試す

決めた段階と項目は、ツールに設定する前に、商談を1行に1件ずつ並べ、段階と項目を列にしたスプレッドシートで試せます。たとえば週1回の会議なら4回分にあたる1か月ほど回し、会議で数字を見られたか、空欄が多い項目はどれかを確かめてから、ツールに設定します。

今のツールを使い続ける場合も、同じ順で始められます。段階を決め直し、会議で見る数字を書き出したうえで、基本の情報に加えて必ず入力してもらう項目を決め直します。

4. どこまで自社でやり、どこから外部に頼むか

必須の項目を決めて試すまでは自社ででき、分析に使う項目と画面の設計は専門家に頼むと早い

会議で毎回見る数字と、その数字で決めることを書き出し、基本の情報に加えて必ず入力してもらう項目を決めるところまでは、自社で進められます。決めた項目を、商談を1行に1件ずつ並べたスプレッドシートで試すことも、自社でできます。

入力しているのが一部の人だけで、会議では口頭で報告している会社も、ここから始められます。営業担当が辞めたり異動したりすると商談の経過が誰にも分からなくなる会社は、引き継ぎに要る項目を決めることから始めます。

お客様の情報が担当者ごとのExcelとメールの中にある場合も、各担当者のExcelの列をそろえるところまでは自社で進められます。そのExcelとメールをChatGPTやClaudeなどのAIに読ませて、お客様を1社1行で並べ、同じ列をそろえた表に整理させることもできます。

お客様の社名や担当者の名前、連絡先が入った記録を読ませる時は、AIに入力してよい情報の決まりを先に社内で決めておきます。

今月の商談数と受注の見込みを出すのに毎回手作業の集計が要る場合は、段階の定義をそろえれば、ツールの標準のレポートで出せることがあります。設定の前に、作りたい画面やレポートを、使っているプランで作れるかどうかを確かめます。

問い合わせの経路や商品ごとの数字から問題点を探すには、その分析に要る項目が入り続けている必要があります。ただし、項目を細かくするほど1件の商談の入力にかかる時間が長くなって入力がおろそかになり、粗くしすぎると分析に使えません。

経路や商品をどこまで細かく分けて入力してもらうかと、細かく分けた項目をどの段階で入力してもらうかは、入力の手間と分析に要る細かさを比べて決めます。この比べ方には同じ設計をした経験が要るため、その経験のある専門家に頼むと早く進みます。分析に使う画面の設計も、あわせて頼めます。

営業担当ごとに商談の進め方が違い、段階や項目を社内で決めきれない場合は、決める場に外部の専門家を入れると早く進みます。

列をそろえた担当者ごとのExcelや、お客様を1社1行で並べた表をツールに取り込む作業は、項目の対応づけと重複の整理が要るので、件数が多いときは代行に頼むと早く進みます。

使っているプランで何ができるかを確かめて設定する人が社内にいない場合も、設定を外部に頼むと早く進みます。空欄の多い項目や更新の止まった商談を確かめる人を社内に置けない場合は、外部に頼んで入力が続くかを確かめる期間を取る進め方をおすすめしています。

段階と項目を社内で決めて設定まで担えるなら社内で進め、決めきれないときは外に頼む

選択肢向いている会社進め方と注意点
自分で進める社長か営業の責任者が商談の流れを把握していて、段階と項目を決め、ツールの設定にも自分で時間を取れる会社です会議で見る数字と段階を決め、ExcelやGoogleスプレッドシートで試してから、無料版のツールに設定します
社内で担当者を決める社長や責任者は設定に時間を取れないものの、ツールの管理者の権限を持つ人を社内に置ける会社です担当者が設定と入力の確認に使う時間を、営業の仕事とは別に先に確保します
外に頼む段階や項目を社内で決めきれない会社、分析に使う項目と画面を設計する経験が社内にない会社、データの移し替えが多い会社、使っているプランでできることを確かめる人がいない会社です設定だけを受け取ると、項目を足すときの決め方が社内に残りません。段階の定義書と運用手順書も納品物に含めておくと、その後の見直しを社内で進められます

5. 外部に頼むときの3つの頼み方

段階と項目を社内で決められているなら設定だけを頼み、決めきれないなら設計から定着の確認まで頼む

SFAやCRM(営業支援と顧客関係管理のシステム)の導入は、次のような相手に頼めます。ツールの提供会社の導入支援、提供会社が認めた導入支援の会社(HubSpotのソリューションパートナーなど)、補助金を使うときのIT導入支援事業者、営業やマーケティングの支援会社、個人の専門家です。

頼み方は、大きく次の3つに分かれます。

頼み方何を頼むか納品物向いている会社
設定だけを頼む自社で決めた段階と項目を伝え、ツールの設定とデータの取り込みを頼みます設定済みのツールと、設定した段階と項目を並べた表です段階と項目を社内で決められている会社です
段階と項目の設計から定着の確認まで今の営業の流れを書き出し、段階と項目を一緒に決め、設定し、入力が続くかを確かめます段階の定義書、入力ルール、設定済みのCRM、ダッシュボード、運用手順書です入れたツールが使われていない会社と、これから入れるツールを、社内の人が使う形で始めたい会社です
入力の運用まで頼む設計に加えて、入力の状況の確認、営業担当への連絡、項目の見直しを、外部の担当者が続けます上の納品物に加えて、入力の状況を定期的にまとめた報告です入力を確かめる役の人を社内に置けない会社です

私たちのSFA/CRM導入は、このうちの「段階と項目の設計から定着の確認まで」に当たります。

顧客情報をクラウドのツールに入れるときと、移し替えを外部に頼むときは、個人データの扱いを確かめる

お客様の担当者の氏名や連絡先をクラウドのツールに入れる前に、提供会社が契約上その個人データを扱わないことになっているかと、どの国の会社かを確かめます。

扱わないことになっていてアクセスが制御されていれば、お客様本人の同意も、提供会社を委託先として監督することも要りませんが、自社の安全管理措置はとる必要があります(個人情報保護委員会のQ&A)。

外国の会社のサービスに保存するときは、サーバーが日本にあっても、その会社がある国の制度を把握して措置をとり、その国とサーバーがある国の名前と、とった措置の内容を、お客様本人が知ることのできる状態にしておきます。

ExcelやメールにあるデータをCRMに移す作業を外部に頼むことは、個人データの取扱いの委託に当たります。委託する側には、委託先の選定、委託契約の締結、委託先での取扱状況の把握の3つを通じて、委託先を監督する義務があります。

頼む前に、今の営業の流れ、会議で見たい数字、データの置き場所、管理者の権限を持つ人を書き出しておく

用意しておくもの中身
今の営業の流れ問い合わせや紹介から受注までに、お客様と会う場面を順に書き出したものです
会議で見たい数字毎回の会議で見たい数字と、今それをどう集計しているかです
データの置き場所お客様と商談の情報が入っているExcel、名刺、メール、今のツールを並べ、それぞれのおおよその件数を書いたものです
管理者の権限と契約今のツールの管理者の権限を持つ人と、契約しているプランです。項目や画面を変えるには管理者の権限が要ることがあります
社内の担当者と、決める人入力ルールを営業担当に伝える担当者と、段階と項目を最終的に決める人です

6. 費用

自分で進めるなら、ExcelやGoogleスプレッドシートと、ツールの無料版で始められる

段階と項目を決めて試すのに要るのは、ExcelかGoogleスプレッドシートだけです。各社の公式サイト(2026年10月20日閲覧)によると、HubSpotは2人のユーザーまで無料で使え、決済情報の登録も要りません。Salesforceは有料のプランを30日間無料で試せます。

ツールの料金は、人数と必要な機能で比べる

SFAやCRM(営業支援と顧客関係管理のシステム)の料金は、使う人の数に応じた月額で示す形が多く、同じツールでもプランで使える機能が変わります。

各社の公式の料金ページ(2026年10月20日閲覧)によると、代表的なツールの料金には次のような例があります。料金とプランは変わることがあるので、最新の内容は契約の前に各社に確かめます。

  • HubSpot(Sales Hubの料金ページ): 無料版は2人まで0円。有料版のStarterはマーケティング、セールス、サービスなどの機能をまとめたプランで、1人(1シート)あたり月額2,400円(閲覧日には割引後の840円が表示されていました)
  • Salesforce: 有料版は1人あたり月額3,000円(Starter Suite)から

料金だけでなく、作りたい画面や自動の処理が、そのプランで使えるかを確かめてから選ぶことをおすすめしています。

私たちは、マーケティング支援の月額4万円を基本とし、必要な施策と制作物の分だけご発注いただく形で受けています。

必要な施策だけ取り組みたい、ウェブサイトやダッシュボードを制作したい、といったニーズに合わせて、単発のプロジェクト発注を1か月単位から受けています(1か月単月15万円から)。

SFA/CRM導入も、この単発のプロジェクト発注で、商談の段階の定義から、入力ルール、ツールの設定、ダッシュボード、運用手順書まで、私たちが進行を管理しながら一緒に進めます。

2026年度は、デジタル化・AI導入補助金の通常枠を使える場合がある

IT導入補助金は、2026年度は「デジタル化・AI導入補助金2026」として公募されていて、通常枠では「顧客対応・販売支援」などの業務を効率化するソフトウェアの導入費が対象です。ソフトウェアの購入費とクラウドの利用料(最大2年分)に加えて、導入の設定、マニュアルの作成、研修の費用も対象に入ります。

補助率は2分の1以内(最低賃金の条件を満たす事業者は3分の2以内)です。事務局に登録されたIT導入支援事業者が登録したツールから選び、その事業者と一緒に申請し、交付決定の前に契約や発注をしたツールは対象になりません。締切は公募の回ごとに変わるので、公式サイトで確かめます。

7. 目標にする数字と、納品物の確認のしかた

目標は、必須項目の入力率と集計の手間を、見直す前の自社と比べて決める

必須項目の入力率(必須にした項目がすべて入っている商談の割合)や、会議で使える数字の種類は、商材や営業の人数によって変わります。そのため目標は、段階と項目を見直す前に自社の今の数字を書き出しておき、それと比べて決めます。

目標測り方見方
必須項目の入力率会議で見る商談のうち、必須にした項目がすべて入っている商談の割合を、月ごとに出します前の月より上がっているかを見ます。空欄が多い項目は、使い道があるかを見直します
更新の止まった商談一定の期間、段階も、お客様とのやり取りの記録も変わっていない商談の数を数えます増えているときは、段階の定義か入力ルールが現場に合っているかを確かめます
集計にかかる手作業の時間会議の前に、商談数と受注の見込みを出すのにかかった時間を記録します見直す前と比べて短くなっているかを見ます

納品物は、段階の定義、項目の使い道、画面、手順書、管理者の権限で確かめる

確かめること見方
段階の定義が、お客様の検討の進み具合で書かれているか段階ごとに、次の段階に移す条件があるかを見ます
入力項目ごとに、使い道が書かれているかどの項目が会議のどの数字に使われるかが書かれているかを見ます
ダッシュボードで、会議で見る数字が出るか決めた数字を、手作業の集計なしに画面で見られるかを、納品の前の会議で一緒に確かめます
運用手順書があるか新しい担当者の入力の始め方と、項目を足すときの決め方が書かれているかを見ます
管理者の権限が自社にあるか外部の担当者がいなくても、社内の人が項目と画面を直せるかを見ます

ローカルグローススタジオの観点

ファネル分解の記事では、営業ツールの過剰導入への対策の1つとして、使われているかを定期的に確かめて直すことを挙げました。

私たちがお受けするSFAやCRM(営業支援と顧客関係管理のシステム)の導入も、ツールの設定で終えず、入力が続くかを確かめるところまでを1つのプロジェクトにしています。

今の営業の流れを書き出し、商談の段階をお客様の検討の進み具合で決め、基本の情報と、会議で見る数字を出すのに要る項目、引き継ぎに要る項目を、必ず入力してもらう項目として設定し、会議で使う画面を作ります。

どの会社でも、基本の情報を入れて更新し続けることを土台にし、それ以外に必須にするのは、会議で見る数字を出すのに要る項目と、引き継ぎに要る項目だけにします。入力した内容が会議で振り返る数字にそのまま使われ、入力した人がその数字を見て次の一手を決められるときに、入力が続くと考えているためです。

自社で進められることと、相談したほうが早いこと

会議で見る数字を決めること、商談の段階を決め直すこと、必ず入力してもらう項目を決めることは、専門家に費用を払わずに自社で進められます。

  • 問い合わせや紹介から受注までの流れと、会議で毎回見る数字、その数字を見て決めることを書き出します
  • 商談の段階を、お客様の検討の進み具合で決め、次の段階に移す条件を書きます
  • お客様の情報、問い合わせの経路、商品、商談の段階のような基本の情報と、会議で見る数字を出すのに要る項目、引き継ぎに要る項目を必須の列にし、項目ごとに使い道と、誰がいつ入力するかを書きます
  • ExcelやGoogleスプレッドシート、またはツールの無料版で1か月ほど回し、空欄の多い項目を確かめます

ここまでを自社で進めれば、外部に頼む範囲を、ツールの設定とデータの移し替え、ダッシュボードの作成、入力が続くかの確認に絞れます。頼む範囲が狭くなる分、見積もりの金額も下がります。

一方で、外部に頼むほうが早く進むのは、次のような状況です。

  • 営業担当ごとに商談の進め方が違い、段階や項目を社内で決めきれないときです
  • 経路や商品ごとの分析に使う項目と画面を設計する経験が、社内にないときです
  • お客様の情報が多くのExcelやメールに分かれていて、移し替えの件数が多いときです
  • 使っているプランで何ができるかを確かめて設定する人が、社内にいないときです

私たちはSFAやCRM(営業支援と顧客関係管理のシステム)の導入を、単発のプロジェクト発注(1か月単位から、1か月単月15万円から)でお受けしています。納品物は、商談の段階の定義書、入力ルール、設定済みのCRM、ダッシュボード、運用手順書です。

詳しくはプロジェクト発注のページにまとめました。会議で見る数字と商談の段階を決めてみて、ツールの設定や、入力が続くかの確認で手が足りないと感じたときは、よかったらご相談ください。

参考資料

まとめ:基本の情報を更新し続け、会議で見る数字と必須の項目を決めて定期的に振り返る

SFAやCRM(営業支援と顧客関係管理のシステム)で問題点や改善の兆しを見つけるには、お客様の情報、問い合わせの経路、商品などの基本の情報を入れて更新し続けることが基礎になります。

ただし、細かすぎる項目や会議で見ない項目は、入力がおろそかになります。どこまで細かい項目を必須にするかは、事業モデルや営業の人数で変わります。

社内に定着しないときは、ツールを入れ替える前に、会議で毎回どの数字を見て何を決めるかを書き出し、基本の情報に加えて、その数字を出すのに要る項目と引き継ぎに要る項目を必須にします。項目ごとに使い道と、誰がいつ入力するかを決め、決めた数字は会議で定期的に振り返ります。商談の段階は、お客様がどこまで検討を進めているかで決め、次の段階に移す条件を書きます。

最初の一歩は、問い合わせや紹介から受注までの流れと、会議で見る数字、その数字で決めることを書き出すことです。決めた段階と項目は、ExcelやGoogleスプレッドシート、またはツールの無料版で1か月ほど試せます。ここまでは費用をかけずに自社で進められます。

段階や項目を社内で決めきれないとき、分析に使う項目と画面を設計する経験が社内にないとき、移し替えるデータが多いとき、設定を担える人が社内にいないときは、外部に頼んだほうが早く進みます。

納品物は、段階の定義と次の段階へ移す条件、入力項目ごとの使い道、会議で見る数字を出す画面、運用手順書、自社に残る管理者の権限で確かめます。目標は、必須項目の入力率と、集計にかかる手作業の時間を、段階と項目を見直す前の自社と比べて決めます。

「ビジネス知の機会格差をなくす」という私たちのミッションに向けて、これからも実践的で価値ある情報を発信していきます。この記事の内容について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひご連絡ください。