ローカルグローススタジオは、『地方企業にスタートアップのような成長を』というテーマで、コンテンツ発信と支援サービスを展開しています。この記事では、実践的なビジネスノウハウを、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。
SEO(検索エンジン最適化)対策として、検索で見つけてもらうための記事を書こうとしても、何から始めればいいか分からないことがあります。記事のテーマを、市場全体でどんな言葉が検索されているかという大きな動きから探し始めると、選ぶのが難しくなります。
そこで私たちは、まず自社の中にある情報をヒントに記事を書き始める進め方をおすすめしています。ヒントになるのは、どんなお客様が何に困って相談に来たかをまとめた顧客分析、営業の場面でよく聞かれる質問、自社に決めていただいたときに伺った理由などです。そこから自社が持つノウハウと解決事例を抜き出し、公開できる範囲で記事にします。
私たちの経験では、こうした記事を10本、20本と書いていくと、Googleで、どんな検索語のときに自社のサイトが表示されたかの記録(検索の記録)から、注目されている言葉、つまり自社のサイトが表示される回数が増えている検索語が見つかるようになります。
そのときに、表示が増えている検索語に合わせて、次に書く記事の方向を見直します。市場全体の検索の動きからテーマを探し始めるより、この順番のほうが、失敗しにくく、簡単に進められます。
生成AIを使う人も増えています。総務省の令和8年版情報通信白書によると、生成AIのサービスを「使っている(過去使ったことがある)」と答えた20歳以上の個人の割合は、2025年度の調査で52.2%で、前年度の26.7%から増えました。
AIの回答で見つけてもらうための対策も、同じ順番で進められます。Google検索の「AIによる概要」と「AIモード」について、Googleは、表示されるための追加の要件や特別な最適化は無く、これまでのSEOの基本が引き続き有効だと説明しています。
この記事は、「SEO・AI検索対策」について、2種類の読者に向けて書きました。1つは、記事で検索から見つけてもらうと何が変わるのか、まだイメージを持てていない方です。もう1つは、イメージはあるものの、自社で進められるのか、外部の専門家に頼むべきか迷っている方です。
SEO・AI検索対策は、検索とAIの回答で見つかりたいテーマを決めてキーワードを設計し、毎月、決めた本数の記事の構成案と本文を作り、公開後に、AIの回答に自社の記事や社名が出たか(AI検索での言及)を計測して、言及につながっている記事のテーマに絞って書き足す支援です。
前半は、まだイメージを持てていない方に向けて、私たち(ローカルグローススタジオを運営するつなぐスタジオ)がノウハウの記事を先にいろいろ書き、その中で読まれた先進企業の調査記事を見てから書き足す方向を決めた例と、自社の中にある情報をヒントに記事を書き始める順番を書きました。
後半は、外部に頼むか迷っている方に向けて、自社で進める範囲と外部に頼む範囲の境目、外部への頼み方と頼む相手の見極め方、費用と補助金、目標にする数字と納品物の確かめ方を書きました。
この記事で分かること
まだイメージがない方向け
- ノウハウの記事を先にいろいろ書き、読まれた記事を見てから書き足す方向を決めた例などの、私たちが自社で試した事例の紹介
- 記事の目的は、課題を調べたお客様に見つけてもらい、相談や資料請求へ進んでもらうこと
- 営業でよく聞かれる質問をヒントに自社のノウハウと解決事例を記事にし、10本、20本と書いてから方向を見直す
イメージはあるが次の一手に迷う方向け
- 最初の記事までは自社ででき、書き続ける作業と検索の記録の分析は外部に頼むと早い
- 書く人が社内にいれば点検と助言を、書く時間がなければ記事の制作を、テーマが決まっていなければ設計から頼む
- 目標は、表示回数や記事からの問い合わせの件数を、始める前と比べて決める
- 納品物では、事実を確かめた記録と計測のレポートがあるかを見る
1. 私たちも、ノウハウの記事を先にいろいろ書き、読まれた記事を見てから書き足す方向を決めた
ノウハウの記事を先にいろいろ書いて公開したので、先進企業の調査記事が読まれることを、実際のアクセスで確かめられた
私たちは lgstudio.jp のリリース当初、マーケティングや人事などのノウハウの記事をいろいろ書きました。その中で、M&Aで事業を伸ばした先進企業の取り組みを、地方企業が学べるように調べてまとめた記事を2025年11月から出したところ、アクセスが上がりました。
書く方向を決める前に記事を公開していたので、どの記事が読まれるかを、実際のアクセスで確かめられました。
検索の記録でも事例の記事がよく見られていたので、事例を読みたい人がいると判断した
Search Console(Google検索での表示を調べる無料のツール)で、記事がどんな検索語で表示され、どの記事がクリックされているかを調べると、具体的な企業の事例を扱った記事が検索でよく見られていました。
アクセスが上がったことと検索の記録の両方から、私たちは、先進企業の事例を読みたい人がいると判断しました。
取り上げる企業をアトツギの家業や地方で起業した会社などへ広げ、2026年9月までに6つの編で46本にした
そこで、取り上げる企業を、M&Aで事業を伸ばした会社から、後継ぎ(アトツギ)が継いだ家業、地方で起業した会社、地域と連携して事業を伸ばした会社などへ広げました。こうした会社の事例は、はじめ私たちが運営していた別のサイト(グローススタジオレポート)に載せ、2026年9月に lgstudio.jp の「先進企業に学ぶ」シリーズへ編ごとに移しました。
2026年9月には、同じ課題に向き合った会社の事例を課題ごとに読み比べられる課題別編も加えました。シリーズは6つの編で、2025年11月から2026年9月までに46本になっています。
書き足す方向は、いろいろな記事を書いて公開し、アクセスと検索の記録を見てから決めました。この記事でおすすめする、先に記事を書いてから方向を見直す順番は、私たちが自社のサイトで進めてきた順番と同じです。
2. 何を目的にするか
目的は、課題を調べている将来のお客様に記事を見つけてもらい、相談や資料請求へ進んでもらうこと
記事の目的は、課題を調べている将来のお客様に記事を見つけてもらい、記事を読んだ人に、相談、資料請求、関連する記事を読むことのような、あらかじめ決めておいた行動に進んでもらうことです。
目的をここに置くと、書くテーマはお客様が調べる課題から選ぶことになり、公開後に数えるものには、表示回数やクリック数に加えて、記事から相談や資料請求に進んだ件数が入ります。
顧客獲得コストを下げるには「ストック>フロー」を意識しようでは、よくある失敗の1つに、PV(記事が読まれた回数)だけで効果を判断することを挙げ、その対策として、成約につながっているかや顧客獲得コストなど、複数の指標で評価することを書きました。
お客様の質問に自社の進め方と解決した事例で答え、相談すると何をしてもらえるかを書く
お客様に聞かれた質問には、自社の仕事の中で使っている進め方や、解決した事例で答えられます。こうした答えはその会社にしか書けず、読んだ人は、相談したときに何をしてもらえるかを思い浮かべられます。
話題になっている言葉に合わせて書くと、こうした答えが入りにくくなります。書く前には、次の2つを自分で確かめます。
- 既存の読者のためでなく、話題になっているという理由で書いていないか
- 実際の経験がないのに、検索からのアクセスを見込んでニッチなトピック(関心を持つ人が限られる話題)を扱っていないか
この2つは、Googleが説明のページ「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」で、検索からのアクセスを増やすことを主な目的に作ったコンテンツかどうかを確かめるために挙げている質問です。
3. どこから始めるか
営業でよく聞かれる質問と、自社に決めていただいた理由の聞き取りをヒントに、記事にできる自社のノウハウと解決事例を探す
記事のテーマのヒントは、すでに社内にあります。どんなお客様が何に困って相談に来たかをまとめた顧客分析、営業の場面でよく聞かれる質問、自社に決めていただいたときに伺った理由などです。次の4つは、費用をかけずに自社で進められます。
1. 顧客分析があれば、相談の多い業種や課題を確かめ、その業種や課題のお客様から、直近3か月の問い合わせ、商談、電話で聞かれた質問を書き出します
2. 自社に決めていただいたお客様に決めた理由を伺い、同じように書き出します。理由には、お客様がほかの会社と比べて何を決め手にしたかが表れるので、比べ方や選び方を書く記事の材料になります
3. 質問と理由は、社内の呼び方に直さず、お客様が使った言葉のまま書きます
4. 質問と理由ごとに、答えになる自社のノウハウや解決事例があるかを書き込みます
お客様の言葉のまま書くのは、社内の呼び方が、お客様が検索に使う言葉と違うことがあるためです。Googleの「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」も、トピックをよく知っている人とよく知らない人では検索に使う言葉が違うことがあるとし、読者が使う言葉を予測して書くことを勧めています。
答えになるノウハウや事例がある質問が、最初に書く記事のテーマの候補です。次の表に、お客様によく聞かれることと、そこから書ける記事の例を、業種ごとに挙げます。
| 業種 | よく聞かれることの例 | 書ける記事の例 | 記事を読んだ人に起こしてもらう行動 |
|---|---|---|---|
| 法人向けの製造業 | 加工の方法の違い、費用の目安、頼む前に用意するものです | 加工方法の比べ方、発注の前に用意する図面と条件の解説です | 相談、見積もりの依頼です |
| 法人向けのサービス業 | 課題の解決のしかた、他社の事例、費用です | 課題ごとの解説、事例の記事です | 資料請求、相談です |
| 個人のお客様向けの店舗 | 料金、予約の方法、ほかの店との違いです | よくある質問、メニューの選び方です | 予約、来店です |
質問ごとに、答えになる自社のノウハウと解決事例を、公開できる範囲で記事にする
記事には、質問への答えとして、自社が仕事の中で使っている進め方や判断の基準と、その進め方で解決した事例を書きます。事例は、社名や数字を載せてよいかをお客様に確かめてから書き、載せられないときは、業種と自社がしたことまでを書きます。
記事には、書いた人の名前と経歴も載せます。読む人が、誰の経験に基づく答えかを確かめられるようにするためです。私たちのマガジンの記事では、記事の最後に、書いた人のプロフィールを置いています。
Googleも、ユーザー第一のコンテンツの説明で、誰が書いたかを明確にし、著者の経歴や専門分野が分かる情報につなげることを勧めています。
10本、20本と書いてから、検索の記録で注目されている言葉を見つけ、記事の方向を見直す
最初の記事を公開したら、同じ進め方で10本、20本と書き足していきます。私たちの経験では、そのころに検索の記録を分析すると、注目されている言葉、つまり自社のサイトが表示される回数が増えている検索語が見つかるようになります。その言葉に合わせて、次に書く記事の方向を見直します。
検索の記録は、Search Console(Google検索での表示を調べる無料のツール)で見られます。自社のサイトが表示された検索語と、記事ごとの表示回数を月ごとに見て、書き出した質問と重なる言葉と、まだ記事にしていない言葉を探します。
見直すときは、表示が増えている言葉に近い質問の記事を書き足したり、表示されているのにクリックが少ない記事の題名と説明文を直したりします。
記事を公開してから検索結果に出るまでには、時間がかかることがあります。スターターガイドは、変更が検索結果に反映されるまでに数時間から数か月かかることがあるとし、数週間待ってから結果を確かめることを勧めています。
AIの回答に出る準備も検索に載る準備と同じで、検索に載っているかと、AIのクローラーの読み込みを止めていないかを確かめる
Google検索のAIの回答で見つけてもらうための準備は、検索に載る準備と同じです。Google検索の「AIによる概要」と「AIモード」は、回答の中に、裏付けとなるウェブページへのリンクを載せます。Googleは、クローラーというプログラムでウェブを探索し、見つけたページをインデックス(検索結果に出すために集めて整理しているページの一覧)に登録しています。
Googleの説明では、AIの回答のリンクとして表示される技術的な要件は、ページがインデックスに登録され、検索結果に説明文(スニペット)を出せる状態で、Google検索の技術要件を満たしていることだけです。新しいファイルや特別な構造化データ(ページの情報を決まった形式で書いたデータ)は要らず、要件を満たしても表示は保証されません。
そのうえで確かめておくのは、次のようなSEO(検索エンジン最適化)の基本です。
- robots.txt(検索エンジンのクローラーに、サイトのどのURLにアクセスしてよいかを伝えるファイル)と、サーバーや配信の仕組み(CDN)の設定で、Googleがページを読み込むのを止めていないこと
- 記事が、サイトの中のリンクからたどり着けること
- 大事な内容を、文字で書いていること
- 構造化データが、ページに表示される文と合っていること
自社のページが検索に載っているかは、Googleで「site:自社のドメイン名」(例: site:example.co.jp)と検索して確かめられます。自社のページが出てくれば、インデックスに登録されています。出てこない場合は、Google検索の技術要件を確かめます。
サイトの制作会社が入れた設定や、サーバーの設定で、検索エンジンやAIのクローラーの読み込みを止めていることもあります。robots.txtの中身と、サーバーやCDNの設定を、管理している人か制作会社に確かめます。
ChatGPTのように、Google以外の会社のAIについては、それぞれのクローラーを止めていないかも確かめます。例えばOpenAIの説明では、OAI-SearchBotというクローラーをrobots.txtで止めたサイトは、ChatGPTの検索の回答には載らず、表示されるとしても、サイトへ移動するためのリンクだけです。
4. どこまで自社でやり、どこから外部に頼むか
最初の記事までは自社ででき、書き続けるのは代行に、検索の記録の分析は専門家に頼むと早い
次の作業は、自社で進められます。
- 直近3か月の問い合わせや商談で聞かれた質問と、自社に決めていただいた理由を、お客様の言葉のまま書き出します
- 答えになる自社のノウハウや事例がある質問から、最初の記事を書きます
- 自社のサイトが検索に載っているかと、検索やAIのクローラーの読み込みを止めていないかを確かめます
- Search Console(Google検索での表示を調べる無料のツール)で、自社のサイトが表示されている検索語を見ます
Googleも、SEO(検索エンジン最適化)を請け負う業者の利用についての説明で、小規模なローカルビジネスの経営者は、おそらく作業の多くを自分で行えるとし、まずスターターガイドから始めることを勧めています。
外部に頼むと早いのは、記事を書き続ける作業と、検索の記録を分析して記事の方向を見直す作業です。質問と事例は社内で書き出せても、10本、20本と書き続ける時間を社長や担当者が取れないときは、記事の制作を代行に頼むと早く進みます。
検索の記録から注目されている言葉を見つけ、次に書くテーマを決める人が社内にいないときは、記録の分析と記事の方向の見直しを専門家に頼めます。自社のページが検索に出てこないといった技術の問題があるときは、記事より先にサイトの点検を専門家に頼みます。
書いた記事の数字や事例を、書いた人のほかに確かめる人が社内にいないときは、記事の制作に事実の確認まで含めて頼むと、誤りを公開の前に見つけやすくなります。
社長か担当者が記事を書く時間を取れるなら社内で進め、書く時間が取れないときや、記事の方向を見直す人がいないときは外に頼む
| 選択肢 | 向いている会社 | 進め方と注意点 |
|---|---|---|
| 自分で進める | お客様からよく聞かれる質問を社長が把握していて、記事を書く時間を取れる会社です | 答えになるノウハウや事例がある質問から書き、10本ほど書いたらSearch Consoleで表示されている検索語を見ます |
| 社内で担当者を決める | 記事を続けて書く予定があり、書く時間を取れる人がいる会社です | 担当者が記事に使う時間を、ほかの業務とは分けて先に決めます。事実を確かめる人も別に決めます |
| 外に頼む | 書く時間がない会社、検索の記録を見て次に書くテーマを決める人がいない会社、書いた記事の事実を確かめる人がいない会社、技術の問題を抱えている会社です | 記事だけを受け取ると、次に何を書くかの決め方が社内に残りません。記事ごとのテーマとキーワードの表と計測のレポートも納品物に含めておきます |
5. 外部に頼むときの3つの頼み方
書く人が社内にいれば点検と助言を、書く時間がなければ記事の制作を、テーマが決まっていなければ設計から頼む
記事や検索の対策を頼める相手には、SEO(検索エンジン最適化)の専門会社やコンサルタント、記事の制作会社、フリーランスのライター、マーケティングの支援会社があります。
頼み方は、大きく次の3つに分かれます。
| 頼み方 | 何を頼むか | 納品物 | 向いている会社 |
|---|---|---|---|
| サイトの点検と助言 | 検索に載っているかと技術の問題がないかを点検し、どのテーマで書くとよいかも含めて、改善の案を出してもらいます | 点検の報告と改善の案です | 記事を書く人が社内にいる会社です |
| 記事の制作 | 自社で決めたテーマで、記事の構成と本文を作ってもらいます | 記事の構成案と本文です | お客様の質問から書くテーマは決まっていて、書く時間がない会社です |
| テーマの設計から計測まで | お客様によく聞かれる質問からテーマとキーワードを決め、記事の制作、公開後の計測と書き足しまで頼みます | キーワードの設計、記事の構成案と本文、検索とAIの回答での表示の計測レポートです | 書くテーマが決まっていない会社や、検索の記録を見て次に書くテーマを決める人が社内にいない会社です |
私たちのSEO・AI検索対策は、このうち「テーマの設計から計測まで」に当たり、公開後にはAI検索での言及を計測して、書き足すテーマを決めます。
頼む相手には成果の測り方を聞き、順位の保証やリンクの売買を持ちかける相手は避ける
頼む前の面談では、成果をどう測るかと、作業の進め方を聞きます。次の項目は、GoogleがSEO業者に頼む前の面談で聞くよう勧めている内容です。
- 過去の作業の例と成功した事例を見せてもらえるか
- Google検索の基本事項に沿っているか
- 期待できる結果と、その時期、成果をどう測るか
- 同じ業種や地域での実績があるか
- サイトに加えた変更と、助言の理由を伝えてくれるか
順位を保証する相手や、リンクの売買、読む人に価値を加えない大量の記事づくりを勧める相手は避けます。検索結果で一番上に表示されることは誰にも保証できず、順位を上げるためのリンクの売買や、読む人に価値を加えずに大量のページを作ることは、Googleのスパムに関するポリシーでスパムの例に挙がっているためです。
SEO業者が人を欺くようなコンテンツを作った場合、頼んだ会社のサイトがGoogleのインデックスから削除される可能性があり、どの業者を選ぶかは頼む側の責任になると、Googleは説明しています。
AIの回答への対策(AEOやGEOとも呼ばれます)の助言を受けるときも、その助言が、GoogleのAIによる概要とAIモードには特別な作業が要らないという、Googleの説明と合っているかを確かめます。
AIで書いた記事も公開の前に人が事実を確かめ、外部に書いてもらった記事の著作権は自社に移しておく
生成AIによるコンテンツについてのGoogleのガイダンスは、生成AIの出力には不正確な情報が含まれることがあるとし、公開の前に人が事実を確かめることが重要だとしています。題名や、検索結果に出る説明文、画像の代替テキスト(画像とページの内容の関係を簡潔に説明する文)も、確かめる対象に入ります。
外部に書いてもらった記事を自社のサイトに載せ、あとで直して使い続けるなら、納品された記事の著作権が発注者に移ることを、業務委託契約書に書いておく形が一般的です。
頼む前に、お客様によく聞かれる質問と使ってよい事例を書き出し、今の数字と相手に渡す権限を確かめておく
| 用意しておくもの | 中身 |
|---|---|
| お客様によく聞かれる質問と、自社に決めていただいた理由 | 直近3か月の問い合わせや商談で聞かれた質問と、自社に決めていただいた理由を、お客様の言葉のまま書いたものです |
| 今の数字 | Search Consoleの表示回数とクリック数、記事を読んでから来た問い合わせの件数です |
| 使ってよい実績と事例 | 記事に書いてよい実績と数字、お客様の事例です。事例は、載せてよいかをお客様に確かめておきます |
| アカウントの管理者と権限 | Search Console、GA4(Googleのアクセス解析ツール)、サイトの管理画面の管理者と、相手に渡す権限です。点検を頼む段階では、Search Consoleの書き込みの権限は渡さず、「制限付きユーザー」の権限で相手を追加します |
| 事実を確かめる人 | 記事の数字や事例が正しいかを確かめる担当者と、公開を決める人です |
6. 費用
自社で記事を書く場合も、サイトの点検や検索の記録の分析を社内でできなければ、専門家に頼む費用を見込む
Search Console(Google検索での表示を調べるツール)は無料で使えます。お客様の質問と自社に決めていただいた理由を書き出してテーマを決め、記事を書き、書いた数字や事例の出典を確かめるところまでは、道具の費用をかけずに社内の時間で進められます。
ただし、自社のページが検索に出てこないといった技術の問題があるときは、記事より先にサイトの点検を専門家に頼む費用がかかります。検索の記録から注目されている言葉を見つけ、次に書くテーマを決める人が社内にいないときは、記録の分析と記事の方向の見直しを専門家に頼む費用も見込みます。
私たちは、月額4万円の支援に、制作物の分だけのプロジェクト発注を加える形で受けている
私たちは、マーケティング支援の月額4万円を基本とし、必要な施策と制作物の分だけご発注いただく形で受けています。
必要な施策だけ取り組みたい、ウェブサイトやダッシュボードを制作したい、といったニーズに合わせて、単発のプロジェクト発注を1か月単位から受けています(1か月単月15万円から)。
SEO・AI検索対策は、このプロジェクト発注のうち制作物の納品の形で、月額15万円と制作費でお受けしています。キーワードの設計と、記事の構成案と本文(月に決めた本数)を私たちがお客様と一緒に作り、AI検索での言及の計測レポートまで納品します。
持続化補助金を使うなら、頼む作業が記事の制作か助言だけかで、対象になるかを確かめる
小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)の公募要領は、効果や作業内容が明確なSEO(検索エンジン最適化)対策を、ウェブサイト関連費の対象の例に挙げています。
一方で、ウェブサイトに関するコンサルティングや助言の費用は対象外の例に挙がっているので、記事の制作を頼むか、点検と助言を頼むかで、対象になるかが変わることがあります。
ウェブサイト関連費の申請額の上限は30万円(税込)で、ウェブサイト関連費だけでは申請できず、交付決定日より前に発注した経費は対象になりません。対象になる事業者の規模と申請の締切は、公募要領で確かめます。
7. 目標にする数字と、納品物の確認のしかた
目標は、表示回数、クリック数、記事からの問い合わせの件数を、始める前の自社の数字と比べて決める
検索から何件の問い合わせが来るかは、商材や地域、書くテーマによって変わります。始める前の自社の数字を出しておき、目標はそれと比べて決めます。
| 目標 | 測り方 | 見方 |
|---|---|---|
| 表示回数 | Search Console(Google検索での表示を調べる無料のツール)で、記事ごとと検索語ごとの表示回数を月ごとに見ます | 書き出した質問に近い検索語で、表示が増えているかを見ます |
| クリック数とクリック率 | 同じ画面で、記事ごとのクリック数と、表示に対するクリックの割合を見ます | 表示されているのにクリックが少ない記事は、題名と説明文を見直します |
| 記事からの問い合わせの件数 | GA4(Googleのアクセス解析ツール)で、記事を読んだ後に問い合わせや資料請求に進んだ件数を見ます。問い合わせのたびに、どの記事を読んだかも聞きます | 始める前の月と比べます |
| AI検索での言及 | 書き出した質問を、毎月同じ文でAIに聞き、自社の記事や社名が出たかを記録します | 出た質問と出なかった質問を比べ、書き足すテーマを決めます |
GoogleのAIによる概要やAIモードに表示されたページも、ほかの検索結果と同じように、Search Consoleの検索の数字に反映されます。具体的には、検索タイプが「ウェブ」のパフォーマンスレポートに含まれます。
納品物では、記事ごとのテーマとキーワードの表、記事の出典と事実を確かめた記録、計測のレポートがそろっているかを確かめる
| 確かめること | 見方 |
|---|---|
| 記事ごとのテーマとキーワードの表があるか | 記事ごとに、お客様のどの質問に答えるか、どの検索語を想定したかが書かれているかを見ます |
| 記事の数字と事例に出典があるか | 数字ごとに出典と時点が書かれているかと、事例をお客様に確かめた記録があるかを見ます |
| 他の記事の写しになっていないか | 他社の記事の文章を、そのまま、または言い換えて使っていないかを確かめます |
| 題名と説明文が中身と合っているか | 検索結果に出る題名と説明文が、記事の中身を正しく表しているかを見ます |
| 計測のレポートで、次に書くテーマが決まるか | 表示回数、クリック数、問い合わせ、AI検索での言及をもとに、次に書き足すテーマが書かれているかを見ます |
| 著作権が自社に移っているか | 業務委託契約書に、納品された記事の著作権が自社に移ると書かれているかを見ます |
ローカルグローススタジオの観点
顧客獲得コストを下げるには「ストック>フロー」を意識しようでは、広告のように費用がかかり続けるフロー型の施策と、オーガニック流入(広告を使わず、検索などから自然に訪れるお客様)のように、一度構築すれば継続的に効果を発揮するストック型の施策を分けて説明しました。
同じ記事は、オーガニック施策のよくある失敗に、とにかく大量の記事を書けば良いと考えることを挙げ、その対策として、ユーザーの検索意図を理解して、質の高いコンテンツを提供することを書いています。
検索意図(検索した人が何を知りたくて調べたか)は、営業でよく聞かれる質問に表れています。質問はお客様が実際に知りたかったことなので、質問に1つずつ答えていくと、本数を目標にしなくても、検索意図に答える記事が10本、20本とたまります。
私たちのSEO・AI検索対策は、このストック型の施策に当たる支援です。検索とAIの回答で見つかりたいテーマを決めてキーワードを設計し、事例と解説の記事を積み上げ、公開と計測をくり返し、AI検索での言及につながっている記事のテーマに絞って書き足します。
自社で進められることと、相談したほうが早いこと
お客様によく聞かれる質問の書き出し、検索に載っているかの確認、最初の記事を書くことは、専門家に費用を払わずに自社で進められます。
- 問い合わせや商談で聞かれた質問と、自社に決めていただいた理由を、お客様の言葉のまま書き出します
- 質問ごとに、答えになる自社のノウハウや解決事例があるかを書き込みます
- 答えられる質問から、公開できる範囲で最初の記事を書きます
- Googleで「site:自社のドメイン名」と検索して、自社のページが検索に載っているかを確かめます。robots.txt(クローラーに、サイトのどのURLにアクセスしてよいかを伝えるファイル)で、検索エンジンやAIのクローラーを止めていないかも確かめます
- Search Console(Google検索での表示を調べる無料のツール)で、自社のサイトが表示されている検索語と、表示されているのにクリックが少ない記事を見ます
ここまでを自社でやれば、外部に頼むのは、テーマとキーワードの設計、記事の制作と事実の確認、公開後の計測と書き足しのうち、社内で担う人がいないところだけになります。頼む範囲が狭くなる分、見積もりの金額も下がります。
一方で、外部に頼むほうが早く進むのは、次のような状況です。
- お客様から聞かれる質問は分かっているものの、記事を10本、20本と書き続ける時間が社内にないときです
- 書いた記事の数字や事例を確かめる人が、社内にいないときです
- 検索での表示とAI検索での言及を毎月見て、記事の方向を見直す人がいないときです
私たちはSEO・AI検索対策を、単発のプロジェクト発注のうち制作物の納品の形(1か月単位から、月額15万円と制作費)でお受けし、キーワードの設計、記事の構成案と本文、AI検索での言及の計測レポートを納品します。
詳しくはプロジェクト発注のページにまとめました。お客様の質問の書き出しや、検索に載っているかの確認を試してみて、記事を書く時間を取れないときや、記事の方向を見直す人が社内にいないときは、よかったらご相談ください。
参考資料
- 自社の記事: 顧客獲得コストを下げるには「ストック>フロー」を意識しよう
- 総務省 令和8年版 情報通信白書 第I部第1章 個人におけるAI利用(2026年。2025年度の個人向けアンケート調査)
- Google 検索セントラル 検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド、有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成、AI機能とウェブサイト、robots.txt の概要とガイド、構造化データ マークアップとは、SEO業者の利用を検討する、Googleウェブ検索のスパムに関するポリシー、ウェブサイトで生成AIによるコンテンツを使用するためのGoogle検索のガイダンス(いずれも2026年10月閲覧)
- Search Console ヘルプ Search Console の概要、ユーザー、所有者、権限の管理、アナリティクス ヘルプ 次世代のアナリティクス、Google アナリティクス のご紹介
- OpenAI Overview of OpenAI Crawlers(2026年10月閲覧)
- 小規模事業者持続化補助金 一般型通常枠 公募要領 第8版(第20回)(2026年7月21日)
まとめ:営業でよく聞かれる質問と自社に決めていただいた理由をヒントに、自社のノウハウと解決事例を記事にし、10本、20本と書いてから方向を見直す
SEO対策を何から始めればいいか分からないときは、記事のテーマを市場全体の検索の動きから探し始めるより、まず自社の中にある情報から始めるほうが、失敗しにくく簡単です。営業でよく聞かれる質問や、自社に決めていただいた理由をヒントに、自社のノウハウと解決事例を抜き出し、公開できる範囲で記事にします。
私たちの経験では、記事を10本、20本と書いていくと、検索の記録から注目されている言葉が見つかるようになります。そのときに、その言葉に合わせて、次に書く記事の方向を見直します。
私たちのサイトでも、ノウハウの記事を先にいろいろ書き、その中でアクセスが上がった先進企業の調査記事を見て、事例を読みたい人がいると判断しました。そのうえで、取り上げる企業をアトツギの家業や地方で起業した会社などへ広げ、書き足しています。
AIの回答への対策も、同じ順番で進められます。GoogleのAIによる概要とAIモードに表示されるための特別な作業は無いので、自社のサイトが検索に載っているかと、検索やAIのクローラーを止めていないかを確かめておきます。
記事を書き続ける時間、書いた内容が事実かを確かめる人、検索の記録を見て記事の方向を見直す人のどれかが社内で足りないときは、外部に頼んだほうが早く進みます。頼む相手には成果の測り方を聞き、検索の順位を保証する相手や、リンクの売買を勧める相手は避けます。
目標は、表示回数、クリック数、記事からの問い合わせの件数を、始める前の自社の数字と比べて決めます。納品物は、記事ごとのテーマとキーワードの表、記事の出典と事実を確かめた記録、次に書くテーマが分かる計測のレポートがそろっているかで確かめます。
「ビジネス知の機会格差をなくす」という私たちのミッションに向けて、これからも実践的で価値ある情報を発信していきます。この記事の内容について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひご連絡ください。

執筆者 : 佐久間 一己 (さくま かずき)
つなぐスタジオ株式会社 代表取締役社長 / ローカルグローススタジオ Director
リクルート営業マネージャーを経て、福井県小浜市で道の駅・古民家ホテルの集客支援と行政の産業6次化に4年携わり、その後ユーザベースFORCAS(現Speeda)カスタマーサクセスマネージャー、スタートアップ執行役員、フィンテック事業責任者を務め、2025年に地方企業向けのマーケティング代理店を設立。BtoB事業でWEBメディアを立ち上げオーガニック流入を3か月で20倍に伸ばすなど、知名度や予算が限られる時期に効くマーケティングと採用の手法を、地方企業の規模に合わせて伴走します。


