広告の運用まで手が回らないときは、広告運用の代行を検討しよう|広告運用代行の発注ノウハウ

ローカルグローススタジオは、『地方企業にスタートアップのような成長を』というテーマで、コンテンツ発信と支援サービスを展開しています。この記事では、実践的なビジネスノウハウを、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。

広告を出しているものの、社長や担当者がほかの仕事と兼ねていて、広告の管理画面をほとんど開けていない会社があります。最初に設定したまま、どんな検索で広告が表示され、どの広告から注文や問い合わせが来ているかを確かめずに、配信が何か月も続いていることもあります。

Google広告やMeta広告(FacebookやInstagramに出す広告)のような運用型の広告は、配信を始めた後も、成果の出ない配信を止め、予算の配分を見直す作業が続きます。検索結果に出す広告では、表示された検索語句を確かめて、関係のない検索を外す作業も加わります。

広告の運用まで手が回らないときは、この運用の作業を広告運用代行に任せる方法があります。社内の担当者は、毎月の報告を見て、どの商品にいくら広告費をかけるかを決めることに時間を使えます。

任せるときは、広告のアカウントを自社専用にして管理者の権限を自社に残し、GoogleやMetaのような広告の媒体に払う広告費と、代行会社に払う手数料を分けた報告を毎月受け取る頼み方をおすすめしています。

アカウントと毎月の報告が自社に残れば、代行会社を変えても、自社の運用に戻しても、それまでの設定と結果を引き継げます。

この記事は、「広告運用代行」について、2種類の読者に向けて書きました。広告運用代行は、Google広告やMeta広告などの設定と、配信を始めた後の調整と報告を、社外に任せる業務代行です。

1つは、広告運用代行に何を任せられるのか、まだイメージを持てていない方です。もう1つは、イメージはあるものの、社内で時間を作って進められるのか、外部の専門家に頼むべきか迷っている方です。

前半は、まだイメージを持てていない方に向けて、私たち(ローカルグローススタジオを運営するつなぐスタジオ)がご支援している会社の広告で行ったことと、広告運用代行に任せられる作業、何を目的にし、どこから始めるかを書きました。

後半は、外部に頼むか迷っている方に向けて、自社で進める範囲と外部に頼む範囲の境目、外部への頼み方と契約の前に確かめること、費用、目標にする数字と納品物の確かめ方を書きました。

この記事で分かること

まだイメージがない方向け

  • 通販広告の予算の寄せ方や、着地先の比べ方などの私たちの支援事例の紹介
  • 代行にはアカウントの設計から月次の報告までを任せ、費用対効果は広告費と手数料の合計で見る
  • 目的は、1件あたりの獲得費用を上限に収めながら、問い合わせや注文の数を保つこと
  • まず、広告アカウントの管理者と、直近3か月の広告費と成果を書き出す

イメージはあるが次の一手に迷う方向け

  • 獲得費用の上限を出すまでは自社ででき、配信の調整を続ける作業は代行に頼むと早い
  • 配信後の確認を社内で続けられるなら初期設定だけを、調整を続けられなければ毎月の運用まで頼む
  • 代理店61社の調べでは、手数料に触れていた29社の料率型の相場は広告費の20%で、この手数料と社内の手間を比べて頼むかを決める
  • 目標は、手数料を含めた獲得費用と件数を、頼む前の数字と比べて決める
  • 納品物では、報告の広告費が媒体の請求額と合っていることを確かめる

1. 広告運用代行にはアカウントの設計から月次の報告までを任せ、費用対効果は広告費と手数料の合計で見る

ご支援している2社の通販広告では、効率の良い広告の種類に予算を集め、着地先を分けて商品ページに届く割合を比べた

法人向けの取引に加えて、個人向けのネット通販でも商品を販売している製造卸の会社では、私たちが通販の広告アカウントを設計し直しました。リスティング広告を止め、効率の良い広告の種類として、Googleの検索結果などに商品の写真や価格が表示されるショッピング広告に予算を集めました。毎月の結果は、月次のレポートにまとめて納めています。

自社のネットショップで商品を消費者に直接販売しているD2Cブランドの会社では、広告をクリックした人が最初に見るページ(着地先)を、ネットショップのトップページと、ブランドのホームページの2つに分け、同じ予算と条件で配信して比べました。その結果、着地先によって、広告をクリックした人が商品ページに届く割合が変わることが分かりました。

代行にはアカウントの設計から月次の報告までを任せ、どの商品にいくら広告費をかけるかは自社で決める

私たちの広告運用代行に任せられることと、それぞれを任せると自社でできるようになることは、次のとおりです。

任せられること中身自社でできるようになること
アカウントの設計広告のまとまり(キャンペーンと広告グループ)を、商品や地域ごとに分ける設計です商品や地域ごとに、広告費と成果を分けて見られます
キーワードと除外キーワード広告を表示したい語(キーワード)と、表示しない語(除外キーワード)の一覧です売っていない商品の検索や、関係のない検索に広告費を使わずに済みます
広告文、画像、着地先の比較広告文と画像(伝え方)と着地先を分けて少額で配信し、結果を比べますどの伝え方と着地先から、問い合わせや注文が来たかが分かります
入札と予算の調整広告のクリック1回に払ってよい上限の金額(上限クリック単価)を商品や配信ごとに上げ下げし、成果の出ない配信を止め、1件あたりの獲得費用を見ながら予算を配分します成果の出ている商品や配信に、広告費を寄せられます
月次レポートその月の広告費、クリック数、表示回数、成果の件数と、翌月に変えることです毎月の会議で、広告費を増やすか減らすかを決められます

キーワードの見直しでは、広告が表示された検索語句を確かめ、関係のない語を外す作業を繰り返します。Google広告では、検索語句レポートで、広告の表示につながった検索語句と、そのうちどの語句が注文や問い合わせにつながったかを確かめられます。関係のない語は、除外キーワードに設定すると、広告の表示対象から外せます。

広告にかかるお金は、媒体に払う広告費と代行会社に払う手数料に分けて記録し、費用対効果は2つの合計で見る

広告運用代行を使うと、お金は2か所に払います。媒体に払う広告費と、代行会社に払う手数料です。この2つは分けて記録し、費用対効果は2つを合わせた金額で見ます。

合計で見るのは、広告費だけで計算すると、1件の獲得にかかった費用が手数料の分だけ低く出て、広告の投資収益率を正しく計算できないからです。Googleの広告主向けのガイドも、代行会社のサポートには通常、広告費用とは別に料金がかかるので、サポート料も含めた合計の費用を把握するよう勧めています。

2. 何を目的にするか

目的は、1件あたりの獲得費用を、自社で決めた上限の中に収めながら、問い合わせや注文の数を保つこと

ブレンデッドCPAを理解する~マーケティング効率化の決め手~では、1件の獲得にいくらまでかけてよいか(許容CPA。CPAは顧客獲得コストのことで、1件あたりの獲得費用に当たります)を決める一般的な考え方として、顧客生涯価値(LTV)の3分の1以下を目安にする方法を紹介しました。

同じ記事の通販の例では、平均購入単価1万円、年3回の購入が2年続き、粗利率が30%の場合、LTVは1万8,000円で、1件の獲得にかけてよい費用(許容CPA)は6,000円までになります。

広告運用代行を使う目的は、1件あたりの獲得費用をこの上限の中に収めながら、問い合わせや注文の数を保つことです。そのため、1件あたりの獲得費用は、代行の手数料も含めて計算し、上限と比べます。

リスティング広告とSNS広告では、広告から来る人の検討の段階が違うので、来てほしい人に合わせて媒体に予算を寄せる

同じ記事では、リスティング広告(検索した語句に合わせて、検索結果に文章で表示される広告)から来る人は課題意識がはっきりしていて、自分で情報を集めて比較する傾向があると書きました。SNS広告から来る人は潜在的な興味を持つ段階で、まず商品やサービスを知ってもらうところから育てる必要があるとも書いています。

代行会社に任せる前に、来てほしいのが今まさに探している人なのか、まだ探していない人なのかを決めておくと、予算を寄せる媒体を代行会社と一緒に決められます。

広告費を増やすのは、広告から来た人が問い合わせや注文をできるページを整えてからにする

新サービス開始時のステップをおさらいでは、新しいサービスを始めるときは、受け皿を整えてから集客の施策に進む順番を書きました。受け皿は、顧客がサービスを知り、理解し、安心して問い合わせできる環境のことです。

同じ記事では、受け皿が整っていない状態で、広告のように短期的に集客を増やす施策を行うと、訪れた見込み客を逃し、費用が無駄になると書きました。広告運用代行を頼む前に、着地先のページから、商品の説明、価格、問い合わせや購入の入口までたどれるかを確かめます。

3. どこから始めるか

まず、広告アカウントの管理者と、直近3か月の広告費と成果を書き出す

広告運用代行を頼むかどうかを決める前に、今の広告がどうなっているかを書き出します。費用はかからず、ExcelやGoogleスプレッドシートで進められます。

1. Google広告やMeta広告(FacebookやInstagramに出す広告)の管理画面に、自社の社員のアカウントでログインできるかを確かめ、管理者の権限を持つ人を書き出します

2. 直近3か月の広告費、クリック数、問い合わせや注文の件数を、キャンペーンごとに書き出します。件数が分からない場合は、広告の調整より先に成果の計測を整えます

3. Google広告の検索語句レポートで、広告が表示された検索語句を見て、売っていない商品や関係のない検索で表示されていないかを確かめます

4. 広告費を件数で割って1件あたりの獲得費用を出し、許容できる上限と並べます

管理者を最初に書き出すのは、代行会社にアクセスを許可するときも外すときも、管理者の権限が要るからです。Google広告では、アカウントへのアクセスの許可やアクセス権の変更、代行会社などが使う管理用のアカウント(クライアント センター、MCC)とのリンクの解除は、管理者の権限を持つユーザーが行います(Google広告ヘルプ)。

代行会社が設定したアカウントでは、代行会社の管理用のアカウントがオーナーに設定されているかどうかも確かめます。オーナーに設定されている場合は、その管理用のアカウントで管理者の権限を持つユーザーも、アクセス権を編集できます。

社内に管理者がいなければ、広告を設定した会社に、誰が管理者になっているかを確かめます。

4. どこまで自社でやり、どこから外部に頼むか

管理者を確かめ、獲得費用の上限を出すまでは自社ででき、配信の調整を続ける作業は代行に頼むと早い

次の作業までは、自社で進められます。

  • Google広告やMeta広告(FacebookやInstagramに出す広告)の管理者を確かめ、自社の社員に管理者の権限を付けます
  • 直近3か月の広告費、クリック数、問い合わせや注文の件数を書き出します
  • 売価と粗利から、1件あたりの獲得費用の上限を計算します
  • 検索語句レポートを開き、関係のない検索で広告が表示されていないかを確かめます

どの商品にいくら広告費をかけるかも、自社で決めます。管理画面を見る時間を週の予定に先に入れて続けられるなら、運用そのものも自社で進められます。

外部に頼むと早いのは、管理画面を見て配信を調整する作業を続けることです。担当者がほかの仕事と兼ねていて、確認の時間を週の予定に入れても続かず、最初に設定したまま管理画面をほとんど見ていない場合は、運用の作業を代行に任せると早く進みます。

通販で扱う商品の数が多く、商品ごとに売価と粗利が違う場合は、商品ごとに許容できる獲得費用が違うので、入札を商品ごとに分けて調整する作業が増えます。その作業を社内で続けられないときも、代行に頼むと早く進みます。

管理画面は見ているものの、1件あたりの獲得費用が上がった理由が分からず、どの検索語句や配信を止めればいいかを決められないときは、止める配信を数字から決める判断まで含めて、専門家に頼むと早く進みます。

管理画面を見る時間を週の予定に入れて続けられれば社内で進め、続かないときや止める配信を決められないときは外に頼む

選択肢向いている会社進め方と注意点
自分で進める広告の数が少なく、社長か担当者が管理画面を見る時間を週の予定に入れられる会社です検索語句と1件あたりの獲得費用を決まった曜日に確かめ、止めた配信と理由を記録します
社内で担当を決める広告費が毎月かかっていて、社員のうち1人を広告の運用に充てられる会社です担当が運用に使う時間を、ほかの業務とは分けて先に決めます
外に頼む担当者が兼務で確認が続かない会社、商品や地域が多く調整の作業が多い会社、数字を見て止める配信を決める人が社内にいない会社です自社に管理者の権限を残し、どの商品にいくら広告費をかけるかは自社で決めます

5. 外部に頼むときの3つの頼み方

配信後の確認を社内で続けられるなら初期設定だけを、調整を続けられなければ毎月の運用まで頼む

広告の運用を頼める相手には、広告代理店、広告の運用を専門にする会社、個人で運用を請け負うフリーランスがあります。頼み方は、大きく次の3つに分かれます。

頼み方何を頼むか納品物向いている会社
初期設定だけアカウントの作成、キャンペーンとキーワードの設定、成果の計測の設定を頼みます設定済みのアカウントと、設定内容の一覧です配信を始めた後の確認を、社内で続けられる会社です
毎月の運用まで設定に加えて、検索語句の確認と除外、入札と予算の調整、月次の報告を頼みます月次レポートと、変えた設定の記録です売りたい商品と予算は決まっているが、調整を社内で続けられない会社です
伝え方と着地先の設計から見直しまで誰に何を伝えるか、着地先、媒体ごとの予算配分を一緒に決め、少額で比べた結果から毎月見直しますアカウントの設計、キーワードと除外キーワード、比べた結果の記録、月次レポートです1件あたりの獲得費用が上がった理由が分からず、伝え方と着地先のどこを直すかを決められない会社です

私たちの広告運用代行は、このうち「伝え方と着地先の設計から見直しまで」に当たります。

代行会社を比べたいときは同時に頼まず順番に頼み、候補を絞るときはGoogleのパートナーかどうかも参考にする

複数の代行会社を比べたいときは、同時に頼まず、順番に頼んで成果を比べます。同じ広告主の広告が検索結果に複数表示されることはないため、同時に頼んでも公平には比べられないからです。Googleの広告主向けのガイドも、比べたい場合は順番に頼むよう案内しています。

候補の会社を絞るときは、Googleのパートナーになっているかどうかも参考にできます。Googleは、代理店向けにGoogle Partnersプログラムを設けていて、パートナーになった会社は自社のサイトにバッジを載せられます。バッジをクリックすると、Googleのサイトにあるその会社のプロフィールのページが表示されます。

広告アカウントは自社専用にし、管理者の権限を自社に残す

代行会社が広告アカウントを作る場合も、自社専用のアカウントにしてもらい、自社の社員のGoogleアカウントに管理者の権限を付けてもらいます。代行会社を変えるときに、代行会社のアクセス権を外す作業を自社で行えるようにするためです。

アカウントのお客様ID(アカウントの番号)も控えておきます。お客様IDが分かれば、代行会社との間で問題が起きたときに、広告主からGoogleに直接連絡できます。

Googleのサードパーティ ポリシー(広告主に代わってGoogle広告の購入や管理を行う代行会社に適用される決まり)では、代行会社は広告主ごとに個別のアカウントを使う必要があり、広告主から求められればお客様IDを伝える必要があります。

Meta広告(FacebookやInstagramに出す広告)では、広告アカウントやFacebookページを、自社のビジネスポートフォリオ(Metaで会社の広告アカウントやページをまとめて管理する単位)に置き、代行会社にはパートナーとしてアクセスを許可します。こうしておけば、代行会社を変えるときも、どの会社にアクセスを許可するかを自社で決められます。

手数料は契約の前に文面で示してもらい、報告では媒体の広告費と分けてもらう

手数料は、契約の前に文面で示してもらいます。毎月の報告では、媒体に払った広告費を、手数料と分けて書いてもらいます。手数料が広告費に混ざると、手数料を含めた1件あたりの獲得費用を出せず、報告の広告費が媒体の請求額と合っているかも確かめられないからです。

Googleのサードパーティ ポリシーでも、広告費のほかに管理費用を請求する代行会社は、新規の広告主には最初の営業活動の前に管理費用を文面で伝えて明細書に書き、広告主に伝えるGoogle広告の費用には、代行会社の料金を含めないことになっています。

毎月の報告には、少なくともアカウントごとのクリック数、表示回数、費用を載せてもらいます。Googleの広告主向けのガイドでも、この3つは広告主が知る権利のある情報とされています。

広告文を最後に確かめる担当者を自社で決め、代行会社が作る広告文を確認できるようにしておく

代行会社が広告文や画像を作る場合も、公開の前に自社の担当者が確かめる手順と、確かめる人の名前を、契約の前に代行会社と決めておきます。

品質や価格を実際より著しく良く見せる表示を禁じる景品表示法は、消費者に向けた広告であれば、代行会社が作った広告でも広告主である自社に適用されます。そのため、広告文に効果や数字を書くときは、その根拠の資料も自社に残しておきます。

頼む前に、売りたい商品と獲得費用の上限、月の広告費、広告に書いてよいことを決め、その根拠の資料をそろえておく

代行会社に頼む前に、自社で決めておくものは次の6つです。

決めておくもの中身
売りたい商品と、1件あたりの獲得費用の上限広告で売りたい商品やサービスと、売価と粗利から出した、1件の注文や問い合わせにかけてよい費用の上限です
月の広告費の上限媒体に払う広告費の、月ごとの上限です。代行の手数料とは分けて決めます
広告に書いてよいこと商品の特長、価格、実績の数字です。書く数字ごとに、裏付ける資料もそろえておきます
広告を表示したくない検索売っていない商品の名前や、仕事を探す人の検索のように、注文や問い合わせにつながらない検索語句です
アカウントの管理者Google広告、Meta広告、サイトの訪問を数えるGA4などの計測のツールの管理者が誰かの一覧です
広告文を確かめる人広告文と着地先を、公開の前に確かめる自社の担当者です

6. 費用

自分で運用する場合、費用は媒体に払う広告費で、月の上限から1日の平均予算を決めて少額から始められる

自分で運用する場合の費用は、媒体に払う広告費です。ほかに、担当者が管理画面を見て調整する時間がかかります。

媒体に払う広告費の上限は、Google広告ではキャンペーンごとに設定する1日の平均予算で決まります。ほとんどのキャンペーンでは、ある日の費用が1日の平均予算の2倍になることはありますが、1か月の費用が1日の平均予算の30.4倍(30.4は1か月の平均の日数です)を超えることはありません。

そのため、月の広告費の上限を決めたら、その金額を30.4で割った額を、1日の平均予算に設定できます。1日の平均予算はいつでも変えられるので、少額で始めて、数字を見ながら増やせます。

代理店61社の調べでは、手数料に触れていた29社の料率型の相場は広告費の20%で、この手数料と社内の担当者の手間を比べて頼むかを決める

広告の運用代行も行うPLAN-Bが、「2023年度 リスティング広告運用 カオスマップ」に選ばれた代理店61社を調べた記事(2024年9月6日更新、同社調べ)では、手数料に触れていた29社のうち26社が、広告費に対する割合で手数料を決める料率型で、料率型の相場は広告費の20%とされています。

月の広告費が50万円で、手数料が広告費の20%なら、代行会社に払う手数料は月10万円になります。

頼むかどうかは、社内の担当者が管理画面を見て配信を調整するのにかかる時間や手間と、毎月の手数料とのバランスで判断できます。担当者がほかの仕事と兼ねていて調整の時間を取れていないなら、手数料を払って運用を任せ、担当者の時間をほかの仕事に使う選び方があります。

見積もりは、手数料の下限を確かめ、手数料を予算の内に含めるか外に足すかをそろえて比べる

広告費が少ないときは、見積もりを取る前に、手数料の下限の金額と、受けてもらえる最低の広告費を確かめます。手数料を広告費に対する割合で決める会社でも、下限の金額や最低の広告費を決めていることが多く、広告費が少ないと、割合どおりの手数料にならなかったり、受けてもらえなかったりするからです。

PLAN-Bの同じ記事では、料率型の会社は、最低の広告費を定めるか、手数料に下限を設けている場合がほとんどでした。最低の広告費に触れていた24社では、最低の広告費は5万円から100万円で、24社のうち19社は月50万円以下の広告費でも受けていました。初期費用に触れていた14社では、0円から10万円程度でした。

料率型の26社のうち4社は、広告費の金額帯ごとに固定の手数料を決めるテーブル制を併用していました。手数料が固定の金額なら、手数料を広告費で割って割合に直して比べます。同じ記事の例では、テーブル制で広告費30万円に手数料8万円がかかる場合、手数料は広告費の約27%に当たります。

見積もりは、手数料を予算の内に含めるか外に足すかをそろえてから比べます。料率型には、伝えた予算の中に手数料を含める内掛けと、予算に手数料を足す外掛けがあり、伝えた予算が100万円で手数料が20%なら、内掛けでは支払いの合計が100万円、外掛けでは120万円になるからです(同じ記事)。

広告の分析だけなら月額4万円から、運用までまとめて任せるならプロジェクト発注でご提案している

私たちは、広告のデータの分析だけなら、マーケティング支援の基本プラン(月額4万円から)でお受けし、改善点をレポートします。ご支援している会社では、月額4万円で、広告のデータを隔週で分析しています。

複数の広告媒体の運用、予算の管理、キーワードの設定や広告文と画像(クリエイティブ)の作成まで、まとめて任せたい場合は、基本プランに加えて必要な施策をプロジェクト単位でご発注いただく形(プロジェクト発注)のメニューからご提案します。

まとめて任せる場合の広告運用代行は、プロジェクト発注のうち、実作業を私たちが行う業務代行として、0.5人月(1人が1か月働く量の半分)の単位でお受けしています(月額35万円から)。この金額は運用の作業の費用で、媒体に払う広告費は別にかかります。

業務代行では、アカウントの設計、キーワードと除外キーワードの設定、広告文と着地先の比較、入札と予算の調整、月次レポートまでを担当します。

小規模事業者は、広告と運用代行の費用を、ほかの経費と合わせて持続化補助金に申請できる場合がある

小規模事業者が広告運用代行を頼むときは、補助事業計画に沿った商品やサービスの広報であれば、広告と運用代行の費用を、小規模事業者持続化補助金の広報費として申請できる場合があります。第20回の公募要領では、インターネット広告、SNS広告、運用代行費が広報費の対象の例に挙がっています。

広報費だけでは申請できず、請求額や広告の画面が分かる書類も要るので、対象になる条件は公募要領で確かめ、代行会社にはその書類を出してもらえるかを先に確かめます。

7. 目標にする数字と、納品物の確認のしかた

目標は、手数料を含めた獲得費用と、問い合わせや注文の件数を、頼む前の自社の数字と比べて決める

広告の成果は、商材、地域、媒体によって変わります。そのため目標は、頼む前の3か月の自社の数字を出しておき、それと比べて決めます。

目標測り方見方
問い合わせや注文の件数広告から来た件数を、月ごとに数えます頼む前の3か月の件数と比べます
手数料を含めた1件あたりの獲得費用広告費と手数料の合計を件数で割り、月ごとに出します自社で決めた上限より下にあるかを見ます
商品やキャンペーンごとの獲得費用商品やキャンペーンごとに分けて出します上限を超えた商品やキャンペーンの入札を下げたか、止めたかを見ます

続けるか見直すかは、契約の最初に決めた時期と数字で判断する

契約の前に、判断する時期と、そのときに見る数字を代行会社と決めておきます。決めた時期に数字を見て、続けるか、伝え方や予算の配分を変えるか、やめるかを判断します。判断の時期は、契約に最低の期間があればその期間と、広告を見てから注文や問い合わせまでにかかる期間を見て決めます。

納品物では、広告費が媒体の請求額と合い、止めた配信の理由が書かれていることを確かめる

確かめること見方
報告の広告費が、媒体の請求額と合っているか媒体の管理画面か請求書の金額と、報告の広告費を比べ、手数料が広告費に混ざっていないかを見ます
アカウントごとの費用、クリック数、表示回数があるか月次レポートに、媒体のアカウントごとの数字が載っているかを見ます
止めた検索語句や配信と、その理由が書かれているか除外した検索語句、止めた広告、下げた入札が、理由と一緒に記録されているかを見ます
翌月に変えることが書かれているか予算の配分、広告文、着地先のどれを、どの数字を見て変えるかが書かれているかを見ます
管理者の権限が自社に残っているか管理画面のアクセス権の設定を開き、自社の担当者が管理者のままかを見ます

止めた配信の理由と翌月に変えることが記録に残っていれば、代行会社を変えても、自社の運用に戻しても、どの検索語句と伝え方から注文や問い合わせが来るかを引き継げます。

ローカルグローススタジオの観点

顧客獲得コストを下げるには「ストック>フロー」を意識しようでは、広告は費用がかかり続け、出稿をやめれば効果もすぐに消える施策だと書きました。そのうえで、広告費に頼りすぎず、検索から自然に来る人のような積み上がる集客の割合を高めていくことを、続けられる集客の基本としています。

広告費に頼りすぎないためにも、広告を出している間は、広告費を増やす前に、少額で配信して比べた結果から、着地先と伝え方のどこを直すかを決めます。私たちの広告運用代行は、次の順で進めます。

1. 着地先と伝え方を分けて、少額で配信して比べます

2. 成果の出ないキーワードと配信を止め、1件あたりの獲得費用を管理します

3. 月次で振り返り、予算の配分を見直します

成果を数えるための計測を整えるKPI設計・レポート自動化、着地先になるページを作るWEBサイトの企画と制作、広告以外の集客を増やすSEO・AI検索対策も、別のメニューとしてお受けしています。

事例

扱う商品が多い通販広告では、商品ごとの売価と、粗利率の目安から獲得費用の上限を出し、入札を商品ごとに分けて調整する案をまとめた

ご支援している製造卸の会社の通販の広告では、商品ごとの売価と、粗利率の目安から獲得費用の上限を出し、入札を商品ごとに分けて調整する案をまとめました。売価が商品ごとに違えば、1件の注文にかけてよい費用も商品ごとに違うためです。

扱う商品が多い会社は、代行会社に頼む前に、商品ごとの売価と粗利率の目安を表にしておくと、上限を商品ごとに決められます。

自社で進められることと、相談したほうが早いこと

アカウントの管理者を確かめること、直近3か月の数字を書き出すこと、許容できる獲得費用を計算することは、専門家に費用を払わずに自社で進められます。

  • Google広告やMeta広告(FacebookやInstagramに出す広告)の管理者が誰かを確かめ、自社の社員に管理者の権限を付けます
  • 直近3か月の広告費、クリック数、問い合わせや注文の件数を、キャンペーンごとに書き出します
  • 売価と粗利から、1件の注文や問い合わせにかけてよい獲得費用の上限を計算します
  • 検索語句レポートを開き、売っていない商品や関係のない検索で広告が表示されていないかを確かめます

ここまでを自社で進めておけば、外部に頼むときに、アカウントの確認、今の数字の書き出し、獲得費用の上限の計算を、頼む範囲に含めずに済みます。

一方で、外部に頼むほうが早く進むのは、次のような状況です。

  • 担当者がほかの仕事と兼ねていて、管理画面を見る時間を週の予定に入れても、確認が続かないときです
  • 1件あたりの獲得費用が上がった理由が分からず、どの検索語句や配信を止めるかを決められないときです
  • 扱う商品が多く、商品ごとに入札を分けて調整する作業を社内で続けられないときです

私たちは、広告のデータの分析だけなら、基本プラン(月額4万円から)でお受けし、改善点をレポートしています。複数の広告媒体の運用、予算の管理、キーワードの設定や広告文と画像(クリエイティブ)の作成までまとめて任せたい場合は、プロジェクト発注のメニューからご提案します。

まとめて任せる場合の広告運用代行は、プロジェクト発注の業務代行として、0.5人月単位(月額35万円から)でお受けしています。媒体に払う広告費は別にかかります。どの商品にいくら広告費をかけるかは、頼む会社に決めていただきます。

広告運用代行は、業務代行のメニューとしてプロジェクト発注のページに載せています。直近3か月の数字を書き出し、検索語句レポートを開いてみて、管理画面を見る時間を続けて取れないときや、止める配信を決められないときは、分析だけのご依頼も含めて、よかったらご相談ください。

参考資料

まとめ:運用まで手が回らないときは、管理者の権限を自社に残して任せ、手数料を含めた獲得費用で続けるかを決める

広告を出しているのに、管理画面を見る時間が社内にないときは、検索語句の確認と除外、入札と予算の調整、月次の報告を広告運用代行に任せ、社内の時間を、どの商品にいくら広告費をかけるかを決めることに使う方法があります。

最初の一歩は、広告アカウントの管理者を確かめ、直近3か月の広告費と件数を書き出し、売価と粗利から1件あたりの獲得費用の上限を出すことです。管理画面を見る時間を週の予定に入れられそうなら、まず自社で試せます。

試しても続けられないときや、数字を見て止める配信を決める人が社内にいないときは、外部に頼んだほうが早く進みます。頼むときは、アカウントを自社専用にして管理者の権限を自社に残したまま、代行会社にアクセスを許可します。

代理店61社の調べでは、手数料に触れていた29社のうち26社が料率型で、料率型の手数料の相場は広告費の20%です。社内の担当者が調整にかける時間や手間と、毎月の手数料を比べて、頼むかを決めます。契約の前には、手数料を予算の内に含めるか外に足すかをそろえてから、見積もりを比べます。

納品物では、報告の広告費が媒体の請求額と合っていることと、止めた配信の理由と翌月に変えることが書かれていることを確かめます。その記録が自社に残れば、代行会社を変えても、どの検索語句と伝え方から注文や問い合わせが来るかを引き継げます。

「ビジネス知の機会格差をなくす」という私たちのミッションに向けて、これからも実践的で価値ある情報を発信していきます。この記事の内容について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひご連絡ください。