給与や待遇で大手に勝てないときは、共感と安心で候補者と出会う求人票を作ろう|求人票作成の発注ノウハウ

ローカルグローススタジオは、『地方企業にスタートアップのような成長を』というテーマで、コンテンツ発信と支援サービスを展開しています。この記事では、実践的なビジネスノウハウを、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。

求人を出しても応募が集まらない、集まっても求めている人と違う、という相談があります。給与や待遇は、会社の規模や業界によって上げられる幅が決まっています。給与や待遇だけで比べられると、大手企業や給与の高い業界の求人に負けてしまいます。

一方で、どんな事業を、なぜ、どんな人たちと進めているかは、その会社にしか書けません。そこを求人票に書くと、応募する人は給与や待遇のほかにも、その会社を選ぶ理由を持てます。

私たちは求人票の会社の説明を、「なにをやっているのか」「なぜやるのか」「どうやっているのか」「条件」の4つで書き、共感と安心をもとに候補者と出会えるようにしています。

この記事は、「求人票作成」について、2種類の読者に向けて書きました。求人票作成は、会社の事業や考え方を書く会社共通の部分と、仕事の内容や要件を書く職種ごとの部分を分けて書いた求人票と、求人サイトや自社サイトなど載せる場所(媒体)ごとの文面を作って納品する支援です。

1つは、求人票を書き直すと何が変わるのか、まだイメージを持てていない方です。もう1つは、イメージはあるものの、自社で書き直せるのか、外部の専門家に頼むべきか迷っている方です。

前半は、まだイメージを持てていない方に向けて、私たち(ローカルグローススタジオを運営するつなぐスタジオ)が求人票を書くときの組み立てと、求人票の目的、費用をかけずに始める進め方を書きました。

後半は、外部に頼むか迷っている方に向けて、自社で書ける範囲と外部に頼む範囲の境目、外部への頼み方、費用、目標にする数字と納品物の確かめ方を書きました。

この記事で分かること

まだイメージがない方向け

  • 38ポジション分の求人票や、書く前に会社の発信を遡って集める進め方などの私たちの支援事例の紹介
  • 会社の説明は、なにをやっているのか、なぜやるのか、どうやっているのか、条件の4つで書く
  • 目的は、給与や待遇だけで競わず、共感と安心で候補者と出会うこと
  • まず、今の求人票と代表の発信を並べ、足りない項目を埋める

イメージはあるが次の一手に迷う方向け

  • 今の求人票と発信を4つの項目に並べるまでは自社ででき、魅力を言葉にするのは専門家に頼むと早い
  • 任せる仕事が決まっていれば文面づくりを、採る職種から決めるなら採用計画から頼む
  • 見積もりは、求人票の本数、聞き取りを含むか、直しの回数をそろえて比べる
  • 目標は、応募数と書類選考の通過率を、前回の同じ職種の求人と比べて決める
  • 納品物は、会社の説明の4つの項目がそろっているかと、会社から聞いていないことを書いていないかを確かめる

1. 会社共通の4つの項目と職種ごとの部分に分けて書くと、給与や待遇のほかに選ばれる理由を伝えられる

38ポジション分の求人票を、会社共通の部分と職種ごとの部分に分けて書いた

私たちは、運営する人材紹介のタレントグローススタジオで採用のご依頼を受けると、紹介の前に求人票を作ります。これまでに、38ポジション分の求人票を書きました。

求人票は、会社共通の部分と職種ごとの部分に分けて書きます。会社共通の部分は会社ごとに1つ作り、すべての職種で同じものを使います。職種ごとの部分は、募集する職種の数だけ作ります。

作るもの書くこと読んだ人に分かること
会社共通の部分なにをやっているのか、なぜやるのか、どうやっているのか、条件の4つですどんな事業を、どんな考えで、どんな人たちと進めている会社かが分かります
職種ごとの部分募集背景、業務内容、必須と歓迎の要件、求める人物像ですなぜいま募集し、入社後に何を任され、どんな経験が要るのかが分かります
媒体ごとの文面Wantedly、人材紹介会社向け、自社サイトなど、載せる場所に合わせて書き分けた文面です載せる場所の字数や項目が違っても、会社と仕事について同じことが分かります

会社共通の部分を1つにしておくと、職種が増えても、求人ごとに会社の説明が食い違いません。職種ごとの部分には、その職種でしか書けないことだけを書きます。想定年収のように職種で変わる条件は、職種ごとの部分に書き足します。

会社共通の部分は、Wantedlyの募集ページの3つの項目に、条件を足した4つで書く

会社共通の部分の見出しは、Wantedlyの募集ページにある「なにをやっているのか」「なぜやるのか」「どうやっているのか」を参考にしました。

Wantedlyの公式サイトの募集記事のガイドライン(2023年1月25日更新、2026年10月20日閲覧)によると、Wantedlyは事業の目的や企業文化を伝える内容を書くことを勧め、給与や福利厚生の記載は断っています。

人材紹介会社やハローワークに出す求人には、労働条件を示す必要があります。自社サイトで募集する場合も、応募した人と最初に連絡を取るまでに、労働条件を示す必要があります。そのため私たちは、Wantedlyの3つの項目に、4つ目として条件を足しています。

項目書くこと読んだ人に分かること
なにをやっているのか会社概要、主力の事業、ほかの事業と今後の構想、実績の数字の4つの欄ですどんな事業で、いまどこまで来ている会社かが分かります
なぜやるのかミッションとビジョン、事業が向き合っている課題、創業の経緯と代表の考えの3つの欄ですなぜこの事業をしているのかが分かり、共感できるかを判断できます
どうやっているのか会社の価値観、組織の体制、働き方、一緒に働きたい人の姿の4つの欄ですどんな人たちと、どんな進め方で働くのかが分かります
条件勤務地、給与、初年度の想定年収、勤務時間、休日・休暇、福利厚生、選考の流れの7つの欄です働く姿と、受け取る額と、選考の進み方が分かります

はじめの3つの項目には、給与や待遇のほかに、その会社を選ぶ理由になることを書きます。条件の項目には、応募する人が安心して選考に進めるように、実際の数字を書きます。

Wantedlyの3つの項目は、11の欄に分けて、欄ごとに入れる事実を決める

私たちは、なにをやっているのか、なぜやるのか、どうやっているのかの3つの項目を、それぞれ3つか4つの欄に分けて書きます。欄ごとに入れる事実を先に決めておくと、会社の発信のどこを使い、代表や社員に何を聞けばよいかが分かります。

項目欄書くこと
なにをやっているのか会社概要社名、設立年、地域、大学発や創業◯年のような成り立ちと何をする会社かを書き、ミッションをかぎ括弧で引用して主力の製品の名前を挙げ、利用者の数や社員の数のような規模を数字で添えます
なにをやっているのか主力の事業製品やサービスの名前ごとに区切り、何を、誰に、どう届けているかと、ほかとの違いを示す数字を書き、対応している業種や領域を並べます
なにをやっているのかほかの事業と今後の構想2つ目の事業やサービス、社名を挙げた大手企業との連携、開発中のものとその時期、将来の構想を書きます
なにをやっているのか実績の数字導入した数や利用者の数を何年時点かを付けて書き、受賞と採択には年を、資金調達には年月と出資者を添えます。最後に、社名、設立、資本金、所在地、従業員数、経営陣を基本情報として並べます
なぜやるのかミッションとビジョン会社が正式に決めた文言をそのまま書いて意味の説明を添え、事業を段階ごとに広げる構想があれば、それも書きます
なぜやるのか事業が向き合っている課題見出しを「なぜ、◯◯なのか」とし、その課題の現実を固有の名前と数字で示します。顧客の困りごとを顧客の言葉で並べ、今ある手段の限界と自社の解決の方向を書き、実際にあった出来事を1つ添えます
なぜやるのか創業の経緯と代表の考え代表の経歴を年とともに書き、事業を始めるきっかけになった体験、うまくいかなかった時期と転機、共同創業者との関係を書きます。どれも代表のnoteやインタビューの言葉を引いて書き、材料が無ければこの欄は載せません
どうやっているのか会社の価値観会社が正式に決めた価値観の文言を番号を付けてそのまま書き、それぞれが日々の仕事にどう関わるかを1文か2文添え、社内の雰囲気が分かる出来事を書きます。関わり方が職種で大きく違うときは、この欄だけ職種ごとに書き分けます
どうやっているのか組織の体制正社員と業務委託を分けた人数、部門ごとの構成と役割、経営陣の役割と経歴、拠点を書き、入社する人がどの部門のどんな立場に加わるかを1文で添えます
どうやっているのか働き方勤務時間と休日の基本、在宅勤務のような柔軟な働き方、そのほかの制度に分けて書き、賞与の原資や昇給と昇格の実績のような評価の仕組みまで書きます。勤務時間と休日の細かい数字は条件の項目に書きます
どうやっているのか一緒に働きたい人の姿会社の雰囲気に合う人の姿を2つから4つ、「〜したい方」「〜に共感できる方」の形で書き、職種ごとに求めるスキルや経験は職種ごとの部分に書きます

条件は、法律で決まった項目をそろえたうえで、働く姿が分かる数字まで書く

条件の欄には、住所や月給の幅だけでなく、次のことを足します。足すと、応募する人は働く姿と受け取る額を思い浮かべられます。

欄よくある書き方私たちが足すこと
勤務地住所だけです転勤の有無、最寄り駅と徒歩の分数、研修の場所と期間、直行直帰ができるか、在宅勤務の目安です
給与月給の幅だけです賞与の回数、固定残業代の有無、給与を決めるときに考える点、試用期間中の条件です
初年度の想定年収幅だけです経験1年、経験3年、役職者の3つの場合の年収の例です
勤務時間始業と終業の時刻だけです実働と休憩の時間、平均の残業時間の実績、働く時間をどこまで自分で決められるかです
休日・休暇完全週休2日とだけ書きます年間休日数、夏季と年末年始の日付、有給休暇を付与する時期、産休と育休の取得の実績です
福利厚生社会保険完備とだけ書きます通勤手当の上限、資格の受験と更新の費用を会社が負担するか、服装の決まり、社員割引です
選考の流れ面接2回から3回とだけ書きます各回の面接官の役職、オンラインで受けられるか、結果の連絡までの日数、入社日を相談できるかです

募集のときに示す労働条件は職業安定法で決まっていて、2024年4月からは、業務と就業場所が将来変わりうる範囲(変更の範囲)も加わりました。固定残業代(残業の有無にかかわらず払う一定の手当)を払う場合は、基本給と分け、何時間分でいくらかと、超えた分を追加で払うことを書く必要があります。

想定年収の例は、同じ職種の社員の給与の平均のように、応募する人が受け取る額の目安になる数字で書きます。給与が特に高い一部の社員の額を、全員が受け取る額のように書くと、誤解を生じさせる表示になります。

職種ごとの部分には、なぜいま募集し、入社した人に何を任せ、どんな経験を求めるかを書く

職種ごとの部分でいちばん大事な欄は、募集背景です。私たちが見てきた求人では募集背景が書かれていないことが多くありますが、なぜいま募集するのかが分からないと、応募する人は入社後に何を任されるのかを判断できません。

募集背景には、導入した数や利用者の数のような事業の今の数字を、時点を付けて書きます。次に、誰が兼務しているか、何が回っていないかのように、手が足りていない仕事を書きます。そのうえで「◯◯を募集します」と職種名を挙げ、この募集で任せる範囲を1文で添えます。

業務内容は、1行目に役割を書き、その下に仕事を種類ごとに分けて書き、担当しない仕事があればそれも書きます。入社後の流れや将来のキャリアの道筋は、会社から聞けた職種にだけ書き、聞けていないことを推し量って書きません。

業務内容には、扱う商品や機械と作業の流れを書き、何名の体制かと出張の頻度は数字で書きます。社内だけで通じる呼び方は、社外の人に分かる言葉に直します。ここまで書くと、応募する人は、自分にできそうか、これまでの経験を活かせそうかを、応募の前に判断できます。

必須の要件は2つから4つにし、「以下のいずれかの経験」のように書いて間口を広げます。経験の長さは「◯年以上」と書きます。歓迎の要件には、資格、業界での経験、使ったことのあるツールのように、あれば仕事に活かせることを3つから5つ書きます。

未経験の方と経験者を1つの求人で募集すると、未経験の方には仕事が難しく見え、経験者には賃金の下限が低く見えて、どちらも応募を控えることがあります。両方を採りたいときは、経験者向けと未経験の方向けに求人を分けて出します。

求める人物像は、「〜したい方」「〜に共感できる方」のように、その職種で何をしたい人かを中心に書きます。年齢や性別では書きません。募集で対象を性別や年齢で絞ることは、男女雇用機会均等法と労働施策総合推進法で、例外の場合を除いて禁じられています。

職種名には、扱う製品や立場など、その仕事を選ぶ理由になる言葉を足す

職種名は、求人の一覧で最初に読まれる部分です。「営業」「企画」のように、どの会社にもある名前だけでは、何をする仕事なのかが伝わりません。私たちは、仕事の醍醐味、会社や技術の珍しさ、将来の役職、働く環境、業務の具体的なイメージのうち、その仕事を選ぶ理由になるものを職種名に足します。

足す量は、職種名だけで仕事の中身が分かるかで変えます。組み込みエンジニアのように職種名で対象が絞れる専門職には、何の製品を作るかと、立場(専任の1人目、開発のリード)を足します。

法人営業や事業企画のようにどの会社にもある職種には、製品名や代表の言葉など、その会社にしかない言葉で、仕事の醍醐味を1文で足します。

会社の営業の実績や仕事の量、前任者がいないという事情は、仕事を選ぶ理由にならないので、職種名には入れません。

書く前に会社の発信を遡って集めると、使える会社の言葉と、発信どうしで書き方が違う箇所が見つかる

私たちは、求人票を書き始める前に、会社のこれまでの発信を遡って集めます。すべての媒体に出ている求人、採用ページ、プレスリリースに加えて、代表のnote、代表や役員の取材記事とインタビュー、動画の書き起こしまで読みます。

ある会社の求人票を書いたときは、数十の求人媒体を調べて、そこに出ていた求人と、百件を超える発信を集めました。

集めた文章から、なにをやっているのか、なぜやるのか、どうやっているのか、条件の4つの項目ごとに、元の言葉のまま出典を付けて抜き出します。求人票に使う言葉は、この中にある会社の言葉から先に選びます。

会社の発信を並べると、同じ職種の条件や仕事の範囲のように、時期や媒体によって書き方が違う箇所を1か所で見比べられます。違いが見つかったときは、どちらの書き方が今も正しいかを会社に確かめてから、求人票ではそろえて書きます。

2. 何を目的にするか

目的は、給与や待遇だけで競わず、共感と安心をもとに候補者と出会うこと

私たちは、求人票の目的を、事業と働き方に共感した人に応募してもらい、条件まで知ったうえで安心して選考に進んでもらうことに置いています。

転職した人が今の勤め先を選んだ理由では、賃金の高さを挙げた人より、仕事の内容を挙げた人のほうが多くいます。厚生労働省の令和7年「転職者実態調査」では、今の勤め先を選んだ理由(3つまでの複数回答)で、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が40.2%で最も多く、「賃金が高いから」は18.8%でした。

仕事の難しさや条件も隠さずに書くと、応募する人が安心して判断できる

求人票に良い面だけを書くと、入社した人が「聞いていた話と違う」と感じ、早く辞めることにつながるおそれがあります。採用面接官として誰を置く?では、仕事の難しさと醍醐味を両方伝えると、候補者が現実的な期待値を持って入社を判断でき、素直にコミュニケーションをしてくれる会社だという安心感も持ってもらえる、と書きました。

大手企業の経験者を採用したところ、少人数で走りながら考える進め方に合わず、早い時期に辞めてしまった、という相談もあります。「どうやっているのか」の項目に仕事の進め方を書いておくと、応募する人は、その進め方が自分に合うかを応募の前に判断できます。

条件も同じ考えで、給与は実際の数字で、仕事は任せる範囲まで書きます。応募の前に条件と任せる範囲が分かれば、応募する人は自分に合うかを判断したうえで選考に進めます。

3. どこから始めるか

まず、今の求人票と代表の発信を並べ、会社の説明で足りない項目を見つける

求人票の書き直しは、手元にある材料から始められます。費用はかからず、WordやGoogleドキュメントがあれば進められます。

1. 今出している求人票を、媒体ごとにすべて集めます

2. 採用ページ、会社案内、プレスリリースと、代表や役員の取材記事、インタビュー、note、動画まで、会社の発信を遡って集めます

3. 集めた文章を、なにをやっているのか、なぜやるのか、どうやっているのか、条件の4つに分けて貼ります

4. 会社として統一している紹介文があれば、それを会社概要に使います

5. 空いている項目と、1行しか書けていない項目に印を付け、代表や社員に聞いて埋めます

会社の説明に使う言葉は、会社がすでに使っている言葉から選びます。代表のインタビューやnoteを先に読んでおくと、社外の人に向けて事業を説明した言葉をそのまま使えるうえに、聞き取りで同じことを尋ねずに済みます。

「なぜやるのか」と「どうやっているのか」は、代表や社員の言葉と、実際にあった出来事で書く

「なぜやるのか」と「どうやっているのか」の欄に書く顧客の困りごと、事業を始めたきっかけ、社内で実際にあった出来事は、会社の発信に書かれていないことがあります。そのときは代表や社員に聞き、話した人の言葉をできるだけそのまま使います。

出来事は、「風通しが良い」のような形容でまとめず、失敗したときに誰がどう動いたか、顧客から何と言われたか、のように場面が分かる形で書きます。場面が分かると、読んだ人は、その事業が誰の何に役立ち、どんな人たちと働くのかを具体的に思い浮かべられます。

会社の発信にも聞き取りにも無い言葉は、何を根拠にした言葉かを1文で説明できなければ書きません。

ほかの会社と比べて自社のほうが良いと見せる書き方もしません。自社にあることだけを書くと、読んだ人は、自分に合うかを自分で判断できます。

4. どこまで自社でやり、どこから外部に頼むか

今の求人票と発信を4つの項目に並べるまでは自社ででき、魅力を言葉にするのは専門家に頼むと早い

今の求人票と代表の発信を集め、4つの項目に分けて並べるところまでは、自社でできます。会社として統一している紹介文を会社概要に使うこと、条件の欄に実際の数字を入れること、職種名に扱う製品の名前を足すことも、社内にある情報で進められます。

ただし、発信の多い会社では、集めて並べるところにも時間がかかります。求人は媒体ごとに、発信はプレスリリース、note、取材記事、動画と、出した時期も場所も違うところに散らばっていて、社内の人でも全部を追いきれないことがあるためです。

集めて並べる時間が社内に取れないときは、この作業を代行に頼むと、集めた発信を4つの項目ごとに出典を付けて整理したものを受け取れます。社内に散らばっていた会社の言葉が1か所にまとまるので、次の募集で求人票を直すときにも使えます。

並べた材料から、応募する人が会社を選ぶ理由になる事実を見つけ、「なぜやるのか」「どうやっているのか」を社外の人に伝わる言葉で書く作業は、専門家に頼むと早く進みます。代表や社員に聞く質問を用意し、聞いた話の中から応募する人に伝えるべき事実を見分け、会社の言葉を生かして書くには、求人票を書いてきた経験が要るためです。

求人票の書き直しが止まりやすいのは、4つの項目に材料を並べた後、「なぜやるのか」や「どうやっているのか」に、どの出来事や言葉を書けば応募する人に伝わるかを社内で決めきれない場面です。

どの職種を採るか、1人に何を任せるかが社内で決まっていない場面もあり、このときは求人票より先に、事業の目標から必要な職種を決める作業を専門家に頼むと早く進みます。

求人を出す媒体が多く、媒体ごとに字数や項目に合わせて書き分ける時間が社内にない場合は、書き分けと入稿の作業を代行に頼むと早く進みます。

代表が自社の考えを話せるなら自社で書き、言葉にする人がいないか、時間が取れないなら外に頼む

進め方向いている会社進め方と注意点
社長が自分で書く募集する職種が少なく、社長が事業の考えと仕事の中身を自分の言葉で話せる会社です今の求人票と自分の発信を並べ、空いている項目から書き足します。書いた後に、現場の社員に読んでもらい、実際の仕事と食い違いがないかを確かめます
社内で担当者を決める毎年続けて採用し、人事か総務に求人票を直す人を置ける会社です担当者が代表や現場から話を聞く時間を、先に確保しておきます。会社共通の部分を保存して社内で共有する場所も決めておきます
外に頼む採る職種が決まっていない会社、会社の考えを社外に伝わる言葉にする人が社内にいない会社やその時間を取れない会社、媒体が多い会社です完成した文面だけを受け取ると、次の募集で直すときの材料が社内に残りません。聞き取りの記録も受け取ります

5. 外部に頼むときの3つの頼み方

任せる仕事が決まっていれば文面づくりを、採る職種から決めるなら採用計画から頼む

外部への頼み方は、大きく次の3つに分かれます。

頼み方何を頼むか納品物向いている会社
文面の手直し自社で書いた求人票を、読みやすく直してもらいます直した求人票です任せる仕事と、会社の説明に使う言葉が社内で決まっている会社です
聞き取りから書く代表や現場への聞き取りと、公開している情報をもとに求人票を書いてもらいます会社共通の部分と職種ごとの部分の求人票と、媒体ごとの文面です任せる仕事は決まっているものの、社外に伝わる言葉にする人がいない会社です
採用計画を作るところから始め、入稿と応募数の確認まで採る職種と優先順位を決めてから求人票を書いてもらい、媒体への入稿と応募数の確認まで進めてもらいます上の納品物に加えて、採用計画と、媒体ごとの応募数の記録です採る職種から決めたい会社、媒体が多い会社です

私たちの求人票作成は、このうち「聞き取りから書く」頼み方に、媒体への入稿と応募数の確認までを含めてお受けしています。書いた求人票とあわせて、集めた求人と発信を原文のまま並べ、4つの項目ごとに出典を付けて抜き出したものを、会社と共有するシートに残します。採る職種から決める場合は、必要ポジション分析と組み合わせます。

必要ポジション分析は、KPI(目標にしている数字)と組織図から逆算して、どの職種を、いつ、どの年収で、どの媒体で採るかを決める作業です。求人票作成と組み合わせると、「採用計画を作るところから始め、入稿と応募数の確認まで」の頼み方になります。

頼む前に、統一している紹介文と、求人票に載せたくない項目を伝えておく

用意しておくもの中身
今の求人票と、公開している情報すべての媒体の求人票、採用ページと、代表や役員の取材記事、note、動画などの発信です
会社として統一している紹介文と、載せたくない項目会社概要の決まった文面と、公表していない情報や、求人票に載せたくない項目です
条件の実際の数字平均の残業時間、固定残業代の時間と金額、試用期間中の条件、選考の回数と面接官、採用予定の人数です
採用した人と辞めた人の話どこから応募があったか、採用した人にどこまで任せられているか、辞めた人がなぜ辞めたかです
確認する人文面の事実を確かめる担当者と、最後に決める人です

統一している紹介文と載せたくない項目を先に伝えておかないと、会社の考えを長く書いた後で、大きく書き直すことがあります。そのため私たちは、会社として統一している紹介文があるか、載せたくない項目や公表していない情報は何かを、書き始める前に伺っています。

書いてもらった文面を自社で直して使い続けるなら、そのことを契約で決めておく

求人票は、募集のたびに条件を直し、別の媒体に載せ直すことの多い文書です。外部に書いてもらう場合は、納品後に自社で直して、別の媒体や自社のサイトにも使ってよいことを、業務委託契約書に書いておきます。

6. 費用

自社で書く場合も、魅力を言葉にする人が社内にいなければ、その作業を外部に頼む費用を見込む

全部を自社で書く場合、外部への支払いはかからず、WordやGoogleドキュメントがあれば書けます。

ハローワークに求人を出す場合は、仕事の内容の記載例や賃金の情報を見ながら、職員と話し合って求人票を作れます。ハローワークのサービスは無料で、申し込んだ求人が法令に沿った内容になっているかも確かめてもらえます。仕事の中身を書く言葉に迷ったときは、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」で、同じ職業の仕事の内容を確かめられます。

ただし、並べた材料から応募する人が会社を選ぶ理由になる事実を見つけ、「なぜやるのか」「どうやっているのか」を社外の人に伝わる言葉で書くには、求人票を書いてきた経験が要ります。

社内にこの作業を担当できる人がいないか、その時間を取れない場合は、代表や社員への聞き取りから書く作業を外部に頼む費用を見込んでおきます。任せる仕事と会社の説明に使う言葉が社内で決まっていて、自社で書いた求人票を読みやすく直してもらうだけなら、文面の手直しを頼む費用を見込みます。

見積もりは、求人票の本数、聞き取りを含むか、直しの回数をそろえて比べる

各社の公式サイトなどWEB上の情報(2026年10月20日閲覧)によると、求人原稿の作成代行の料金を載せている次の2社のうち、bサーチは原稿の本数と直しの回数で、AMUは対面の聞き取りやインタビュー記事を含むかどうかで料金を分けています。

  • 株式会社bサーチ: engageのオプションとして、求人作成代行を1本50,000円(税別)、修正を1回20,000円(税別)としています
  • AMU: ヒアリングシートをもとに書くプランを1万円(税抜)、対面の聞き取りを含むプランを3万円(税抜)、インタビュー記事と撮影まで含むプランを8万円(税抜)としています

複数の相手から見積もりを取るときは、求人票を作る本数(職種の数と、経験者向けと未経験の方向けのように1つの職種を分けて出すか)、代表や社員への聞き取りを含むか、直しを頼める回数をそろえてから比べます。

私たちは、人材紹介では紹介の前に求人票を作り、求人票だけなら個別のプロジェクトでお受けしている

私たちがお受けしている採用のご依頼は、成果報酬型の人材紹介契約から、採用体制を改善する個別のプロジェクトまでです。求人票作成は、人材紹介のご依頼では紹介の前に行います。人材紹介の手数料は、理論年収(月給の12か月分に賞与などを足した年収)の25%です。

求人票だけのご依頼は、個別のプロジェクトのうち制作物の納品の形でお受けし、聞き取りから、求人票と媒体ごとの文面の納品を経て、媒体への入稿と応募数の確認までを担当します。どの形でお受けするのがよいかは、まず無料相談でお話を伺ってから決めています。

7. 目標にする数字と、納品物の確認のしかた

目標は、応募数と書類選考の通過率を、同じ職種の前回の求人と比べて決める

応募の数は、職種、地域、時期、出す媒体によって変わります。そのため目標は、書き直す前の同じ職種の求人の数字を出しておき、それと比べて決めます。

目標測り方見方
応募数書き直した求人の応募数を、媒体ごとに、同じ職種の前回の求人と同じ期間で数えます減ったときは、職種名と、募集背景の書き出しが、媒体の一覧や検索結果で目に留まる書き方かを見直します
書類選考の通過率応募のうち、書類選考を通った数の割合を出します応募数が増えても通過率が下がったときは、必須の要件と募集背景を見直します
面接での辞退と、入社後の食い違い面接の後の辞退の数と理由、入社した人から求人票と違うという声が出たかを記録します声が出た項目は、求人票の文面と、面接での説明の両方を直します

納品物は、会社の説明の4つの項目がそろっているかと、会社から聞いていないことを書いていないかを確かめる

確かめること見方
会社の説明の4つの項目がそろっているかなにをやっているのか、なぜやるのか、どうやっているのか、条件のそれぞれに、会社の事実が書かれているかを見ます
会社から聞いていないことを書いていないか入社後の流れやキャリアの道筋、会社の考えが、会社から聞いた事実と公開している情報だけで書かれているかを見ます
ほかの会社と比べて自社を良く見せる文がないかほかの会社を下げて自社を良く見せる文がなく、自社にあることだけで書かれているかを見ます
社内の言葉が残っていないか社外の人が読んで分からない略語や呼び方がないかを見ます
条件が法律で決まった項目を満たしているか業務と就業場所の変更の範囲、固定残業代の内訳、試用期間中の条件まで書かれているかを見ます
集めた発信と出典が渡されているか求人票の元にした求人、note、取材記事などが、4つの項目ごとに出典を付けて渡されているかを見ます
自社で直せる形式か編集できるファイルで受け取り、媒体ごとの文面がそろっているかを見ます

ローカルグローススタジオの観点

マネジメントとは、今のリソースでやりくりすること、リソース調達力を上げること。バフ人材とデバフ人材を見極める。では、地方企業やスタートアップが優秀な人材を引きつけるには高い報酬だけに頼ることはできず、ビジョンを言葉にして一貫して発信し続けることで、共感する人材を引きつけられる、と書きました。

同じ記事では、ビジョンに共感する人材は、最高の報酬条件でなくても、その組織で働く意義を見出すとも書いています。求人票の会社共通の部分に「なぜやるのか」を置くのは、このためです。

採用媒体の有効な活用ステップでは、最初の段階で、自社のビジョン、ミッション、独自性のあるカルチャー、仕事の面白さなどを丁寧に記載することが大事だと書きました。

自社の文化を伝えるカルチャーデックを作成・公開しようでは、候補者は、その会社のビジョンに共感できるか、自分がそこで働く意味を感じられるかを考える、と書いています。私たちが会社共通の部分に、何をやっているのか、なぜやるのか、どうやっているのかを分けて書くのも、同じ考えからです。

職種ごとの部分は、求人票をKPIから逆算して作成するで整理した、なぜこのポジションが必要なのか(背景・目的)、どんなKPI(目標にしている数字)に責任を持ってもらうのか、具体的にどんな業務を担当するのか、どんなスキルや経験が必要か、の4つをもとにしています。

私たちの求人票作成は、次の順で進めます。

1. 公開している求人と、代表のnoteや取材記事、動画まで、会社の発信を遡って集めて4つの項目に整理し、聞き取りで採用の現状と辞めた人の理由を伺います

2. 会社共通の部分と職種ごとの部分を、会社がすでに使っている言葉を優先して書きます

3. 書いた求人票を依頼した会社に確認していただき、ご意見を反映して納品し、媒体への入稿と応募数の確認まで行います

事例

公開されている事例では、制度の名前だけでなく、働く人に何が起きるかまで外に伝えている

求人票のほかの発信で、会社の「どうやっているのか」を伝えている例として、私たちの「先進企業に学ぶ」シリーズで取り上げた2社を紹介します。

静岡県熱海市の古屋旅館は、到着から見送りまでの接客を基本的にすべて動画のマニュアルにし、隣地を含めて徒歩圏内に4軒37部屋の社員寮を用意しました。代表は、働きやすい職場づくりを積み重ね、社員寮の竣工などをプレスリリースで発信し続けたこともあって、採用応募が約5倍に増えたと説明しています。

同社は、求める人材も、接客が好きなこと、人を喜ばせる仕事が好きなこと、素直なことの3つに絞って説明しています。素直さは、自分の考えを持ったうえで、間違っていたときにすぐ直せることだと定義されています。

あわせて、2026年3月のインタビューでは、新卒採用者の初任給を28万円にしたことも説明しており、考え方と条件の両方を外に伝えている例です。

神奈川県鎌倉市の面白法人カヤックは、2014年に全社員の名刺に「人事部」という肩書を入れる「ぜんいん人事部化計画」を始めました。

「先進企業に学ぶ」の同社の記事では、同社の制度は社内向けの仕組みでありながら、制度の内容を読むだけでその会社で働くと何が起きるかが伝わる、社外への説明にもなっていると書きました。求人票の「どうやっているのか」に制度を書くときも、制度の名前だけでなく、働く人に何が起きるかまで書きます。

自社で進められることと、相談したほうが早いこと

今の求人票と発信を並べること、会社の言葉で会社の説明を書き足すこと、条件の数字をそろえることは、専門家に費用を払わずに自社で進められます。

  • 今出している求人票と、採用ページや代表の発信を集め、なにをやっているのか、なぜやるのか、どうやっているのか、条件の4つに分けて並べます
  • 空いている項目を、代表や社員の言葉と、実際にあった出来事で書き足します
  • 募集背景に、事業の今の数字と、この募集で任せる仕事を書き、職種名に扱う製品や立場を足します
  • 条件の欄に、変更の範囲、固定残業代の内訳、平均の残業時間、選考の流れを書きます

ここまでを自社でやれば、外部に頼むのは「応募する人が会社を選ぶ理由になる事実を見つけ、社外に伝わる言葉にすること」「媒体ごとの書き分けと入稿」「採る職種を決めること」のうち、社内でできないところだけです。

一方で、外部に頼むほうが早く進むのは、次のような状況です。

  • 採る職種や、1人に任せる仕事が社内で決まっていないときです
  • 会社の考えや仕事の面白さを、社外の人に伝わる言葉にする人が社内にいないときや、その時間を取れないときです
  • 求人を出す媒体が多く、媒体ごとに書き分ける時間がないときです

私たちは求人票作成を、人材紹介のご依頼では紹介の前に行い、求人票だけのご依頼は採用体制を改善する個別のプロジェクトとしてお受けしています。人材紹介での採用が向いている職種には、成果報酬型の人材紹介契約(タレントグローススタジオ、手数料は理論年収の25%)で候補者を紹介します。

詳しくはプロジェクト発注のページにまとめました。今の求人票と発信を並べてみて、会社の考えや仕事の面白さを社外に伝わる言葉にできないと感じたときは、まずは無料相談でお話を聞かせてください。

参考資料

まとめ:なぜやるのかと働き方を自社の言葉で書き、条件も隠さず示して、共感と安心で候補者と出会う

給与や待遇だけで比べられると、大手企業や給与の高い業界の求人に負けてしまいます。求人票の会社の説明を、なにをやっているのか、なぜやるのか、どうやっているのか、条件の4つで書くと、応募する人は給与や待遇のほかにも、その会社を選ぶ理由を持てます。

最初の一歩は、今出している求人票と、代表のnoteや取材記事、動画までの会社の発信を遡って集め、4つの項目に分けて並べることです。空いている「なぜやるのか」と「どうやっているのか」は、代表や社員がすでに使っている言葉と、実際にあった出来事で書き足します。

職種ごとの部分には、事業の今の数字と、この募集で任せる仕事を募集背景に書き、職種名には扱う製品や立場を足します。仕事の難しさも条件も隠さずに書くと、応募する人は自分に合うかを判断でき、安心して選考に進めます。条件は、法律で決まった項目をそろえ、固定残業代の内訳や残業の実績まで実際の数字で書きます。

材料を並べるまでは自社でできます。並べる時間が社内に取れないときは、その作業を代行に頼むと、社内に散らばった発信を4つの項目に整理したものを受け取れます。

応募する人が会社を選ぶ理由になる事実を見つけ、社外に伝わる言葉にする作業は、社内に担当できる人がいないときや、その時間を取れないときに、外部に頼んだほうが早く進みます。採る職種が決まらないときは、職種を決めるところから外部に頼んだほうが早く進みます。

頼むときは、統一している紹介文と載せたくない項目を先に伝え、文面を自社で直して使えるように契約で決めておきます。

目標は、応募数と書類選考の通過率を、同じ職種の前回の求人と比べて決めます。納品物では、会社の説明の4つの項目がそろっているかと、会社から聞いていないことを書いていないかを確かめます。

「ビジネス知の機会格差をなくす」という私たちのミッションに向けて、これからも実践的で価値ある情報を発信していきます。この記事の内容について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひご連絡ください。