営業が既存のお客様の対応で手一杯で、新しい顧客開拓に時間を使えてない時は営業代行を検討しよう|アウトバウンド営業代行の発注ノウハウ

ローカルグローススタジオは、『地方企業にスタートアップのような成長を』というテーマで、コンテンツ発信と支援サービスを展開しています。この記事では、実践的なビジネスノウハウを、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。

営業担当が既存のお客様からの注文や問い合わせ、納品のあとの対応に追われ、新しいお客様に連絡する時間を取れないことがあります。新しい商談が、紹介と既存のお客様からの追加注文からしか生まれていない会社もあります。

新しいお客様の開拓は、人手が足りず日々の業務に追われると、後回しになりやすくなります。大同生命保険の中小企業経営者アンケート(2026年4月度調査)を監修した神戸大学経済経営研究所の柴本昌彦教授も、新規顧客の開拓や販路の拡大は、人手不足や日常業務の負担から後回しになりやすい取り組みだとコメントしています。

それでも、新しいお客様の開拓に取り組んでいる会社では、顧客が増えたと答えた割合が高くなっています。同じアンケートで顧客数の増減を聞いた設問では、「増加した」と答えた企業は、新規顧客・販路の開拓に取り組んでいる企業で48%、取り組んでいない企業で17%でした(回答は、取り組んでいる企業2,295社、取り組んでいない企業1,039社)。

営業担当が既存のお客様の対応で手一杯のときは、新しいお客様に連絡して商談の約束を取るところまでを、営業代行に任せる方法があります。営業担当は、設定された商談で提案することと、既存のお客様の対応に時間を使えます。

任せるときは、どの会社に連絡し、何を伝えるかを代行会社と一緒に決め、断られた理由を含む連絡の記録を毎週受け取る頼み方をおすすめしています。記録が自社に残ると、どんな会社なら商談になるかが、代行をやめたあとも分かります。

この記事は、「アウトバウンド営業代行」について、2種類の読者に向けて書きました。1つは、営業代行に何を任せられるのか、まだイメージを持てていない方です。もう1つは、イメージはあるものの、社内で時間を作って進められるのか、外部の専門家に頼むべきか迷っている方です。

アウトバウンド営業代行は、電話、問い合わせフォーム、メールなどで、こちらから新しいお客様に連絡する営業の実作業を、社外に任せる業務代行です。

前半は、まだイメージを持てていない方に向けて、私たち(ローカルグローススタジオを運営するつなぐスタジオ)が電話営業をご支援している例と自社の営業で試した結果、営業代行に任せられる作業、何を目的にし、どこから始めるかを書きました。

後半は、外部に頼むか迷っている方に向けて、どこまで社内で進め、どこから外部に頼むかの境目、外部への頼み方と契約の前に決めること、費用、目標にする数字と納品物の確かめ方を書きました。

この記事で分かること

まだイメージがない方向け

  • 電話営業のチームで、毎週の電話の記録から営業リストの順番とトークの型を見直した例などの、私たちの支援事例の紹介
  • 営業代行には商談の設定と毎週の報告までを任せ、アポイント数とアポイント獲得率は属性ごとに集計して分析する
  • 目的は、営業担当の時間を減らさずに、新しい商談を毎月つくること
  • まず、営業担当の1週間の時間を、仕事の種類ごとに書き出す

イメージはあるが次の一手に迷う方向け

  • 時間の書き出しと、代行の費用が見合うかの計算までは自社ででき、商談の約束を取る作業は代行に頼むと早い
  • 営業リストと文面が決まっていれば連絡だけか商談の設定までを、決まっていなければ設計から頼む
  • 料金は、月額固定なら稼働時間で、成果報酬なら「商談1件」の中身で比べる
  • 目標は、設定された商談の数と受注した数を、頼む前の自社の数字と比べて決める
  • 納品物では、断られた理由と翌週に変えることが報告に書かれていることを確かめる

1. 営業代行には商談の設定と毎週の報告までを任せ、アポイント数とアポイント獲得率は属性ごとに集計して分析する

電話営業のチームでは、毎週の電話の記録を見て、営業リストの順番とトークの型を見直した

私たちは、人事・採用関連の企業の電話営業をご支援しており、インサイドセールス(電話やメールで商談の約束を取る営業)のチームを管理しています。ご支援先から見ると、新しいお客様に電話して商談の約束を取るところまでを、社外に任せている形です。

チームでは、電話がつながらなかった会社には曜日と時間帯を変えて何度か電話し、断られたときはその理由を記録しています。毎週、その週の電話の記録を見て、営業リストのどの会社から電話するかの順番と、トークの型を更新しています。

商談の約束を取れたメンバーの進め方は、トークの型に入れて、チーム全員に広げています。例えば、電話に出た方から担当の方の名前を聞いておき、次の電話で担当の方につないでもらう進め方です。結果は、毎週の定例でご支援先に報告しています。

営業代行には商談の設定と毎週の報告までを任せ、商談から先は自社の営業担当が受け持つ

私たちのアウトバウンド営業代行に任せられることと、それぞれで自社ができるようになることは、次のとおりです。

任せられること中身自社でできるようになること
営業リスト営業候補先を、連絡する順に並べた表ですどの会社から連絡するかを、営業リストを見て決められます
文面とトークスクリプト問い合わせフォームやメールの文面と、電話で話す内容の台本ですどの伝え方が商談につながったかを、文面ごとに比べられます
連絡の記録誰に、いつ、どの手段で連絡し、返事がどうだったかです連絡した会社の属性ごとに、アポイント数とアポイント獲得率を集計できます
断られた理由の記録断られたときに相手が挙げた理由です伝え方を変えれば商談にできる相手と、営業の対象から外す相手を分けられます
商談の設定相手の都合を聞いて商談の日時を決め、自社の営業担当に引き継ぎます営業担当は、商談の準備と提案に時間を使えます
毎週の結果レポートその週の連絡の数、商談の数、断られた理由と、翌週に変えることです毎週の定例で、営業リストと文面を見直せます

同じアンケートに寄せられた経営者の声には、お客様とのアポイントを取る作業を営業代行に任せ、新規顧客の獲得につながったという回答もありました(製造業、群馬県)。

地方企業におけるファネル分解を考える(ザモデルの分業は地方企業でも可能なのか?)では、見込み客の獲得、アポイントの設定、商談と成約、継続利用の支援を、それぞれ別の担当が受け持つ営業の体制(ザ・モデル)を取り上げました。そのうえで、地方の少人数の組織には、この完全な分業ではなく、営業の流れを段階に分けて書き出し、段階ごとの数字を見るやり方を勧めました。

営業代行に商談の約束を取るところまでを任せると、アポイントを設定する段階の作業は社外の会社が受け持ちます。それでも、連絡した数、商談になった数、受注した数を見て、次に何を変えるかを決める役は、自社に残すことをおすすめしています。毎週の結果レポートは、その数字を自社で見るために受け取ります。

会社の属性や打診の内容で成果が8倍変わった例があるので、アポイント数と獲得率は属性と文面ごとに集計する

アポイント数と、アポイント獲得率(連絡した会社のうちアポイントが取れた割合)は、合計ではなく、資金調達の段階や候補を集めた元など、連絡した会社の属性ごとに集計します。

私たちは、2025年12月から2026年4月にかけて、自社の営業として、1,000社を超える会社に問い合わせフォームから1社ずつ連絡しました。連絡した会社の属性や打診の内容によって、成果が8倍も変わったケースがありました。

合計の件数だけを見ていると、どの会社に何を伝えれば商談や契約につながるのかが分かりません。私たちは連絡した会社を、候補を集めた元(スタートアップのデータベース、求人の情報など)や資金調達の段階ごとに記録していたので、属性ごとに成果を比べられました。

打診の内容による違いも見るため、関西の会社に送る文面では、冒頭に書いた出来事(募集中の求人、本社の移転など)の種類ごとに、返信の数を数えるようにしました。

2. 何を目的にするか

目的は、営業担当が商談と既存のお客様の対応に使う時間を減らさずに、新しい商談を毎月つくること

ファネル分解の記事では、既存顧客と新規顧客の売上の比率の目標を決め、営業の活動時間の配分と食い違っていないかを確かめることを勧めました。例として挙げたのは、新規顧客からの売上を30%と計画しているのに、新規開拓の活動時間が10%しかない、という食い違いです。

営業代行を使う目的は、計画と活動時間のこの差を、営業担当が商談と既存のお客様の対応に使う時間を減らさずに埋めることです。新しいお客様に連絡する作業を社外に任せ、営業担当の時間は、設定された商談と既存のお客様の対応に使います。

商談の数だけでなく、商談から受注した数までを目標の数字にする

同じ記事では、アポイントの数だけを追うと、質の低いアポイントが増える可能性があるとも書きました。営業代行の成果を商談の数だけで見ると、受注につながらない商談が増え、営業担当が既存のお客様に使える時間がかえって減るおそれがあります。

そのため、目標にする数字は、設定された商談の数と、そのうち受注した数の2つにします。受注までの期間が長い商材では、受注の代わりに、見積もりや次の打ち合わせに進んだ数を見ます。

代行の費用が見合うかは、粗利で計算したLTV(顧客生涯価値)と、CAC(顧客獲得コスト)を比べて決める

営業代行の費用が見合うかは、頼む前に、LTVとCACという2つの数字を比べて確かめます。LTV(顧客生涯価値)は、1社のお客様が取引の続く間に自社にもたらす価値の合計です(グロービス経営大学院 MBA用語集「顧客生涯価値」)。

私たちは、LTVを粗利(売上から原価を引いた額)で計算することをおすすめしています。売上で計算するとLTVが原価の分だけ大きくなり、獲得にかけてよい費用も大きく見積もってしまうためです。

CAC(顧客獲得コスト)は、新しいお客様1社を獲得するのにかかった費用で、営業や広告など獲得にかかった費用の総額を、獲得したお客様の数で割って出します(同じ用語集の「ユニット・エコノミクス」)。営業代行に払う費用も、このCACに入ります。

LTVがCACの何倍あればよいかは、主に毎月や毎年の契約で取引する事業で、3倍から5倍程度が目安といわれています(同じ用語集の「ユニット・エコノミクス」)。3倍を目安にすると、1社の獲得にかけてよい費用はLTVの3分の1です。

取引が1回で終わる商材では、この目安をそのまま当てはめず、受注1件の粗利のうち獲得に使ってよい額を自社で決めることを、私たちはおすすめしています。自社の数字では、商材の種類にかかわらず、次の順で計算します。

1. LTVを出します。毎月の契約なら、月額の粗利に平均の契約期間を掛けます。注文ごとに取引する商材なら、1回の注文の粗利に、年間の注文回数と取引が続く年数を掛けます。取引が1回で終わる商材では、受注1件の粗利を使います

2. 1社の獲得にかけてよい費用を決めます。3倍を目安にするなら、LTVを3で割ります

3. 代行に払う費用の合計(最低契約期間の分)を出し、商談に出る営業担当の人件費のように、ほかにも獲得にかかる費用があれば足します。その合計を、かけてよい費用で割ると、CACをかけてよい費用以下に収めるのに要る受注の件数が出ます

4. 受注の件数を、商談から受注する割合で割ると、代行に設定してもらう必要がある商談の数が出ます

例えば、私たちのブレンデッドCPAを理解するの記事で挙げた、毎月10万円の契約で、契約期間を24か月、粗利率を70%と想定した法人向けのサービスなら、LTVは168万円(10万円×24か月×70%)、かけてよい費用は56万円です。

月額30万円の代行を6か月頼むと、費用の合計は180万円です。代行の費用のほかに獲得の費用がかからないとすると、180万円を56万円で割ると約3.2なので、CACを56万円以下に収めるには、受注が4件要ります。商談の4件に1件が受注になる会社なら、6か月で16件、月に3件ほどの商談を設定してもらう必要があります。

頼んだあとは、実際にかかった費用の合計を受注した数で割ってCACを出し直し、かけてよい費用と比べて、続けるかを判断します。

3. どこから始めるか

まず、営業担当の1週間の時間を、仕事の種類ごとに書き出す

営業代行を頼むかどうかを決める前に、営業担当の時間がどこに使われているかを書き出します。費用はかからず、ExcelやGoogleスプレッドシートで進められます。

1. 営業担当ごとに、直近1週間の時間を、既存のお客様の対応、商談と提案、新しいお客様への連絡、社内の仕事に分けて書きます

2. 今期の計画で、新しいお客様からの売上を全体の何割にするかを書き、新しいお客様への連絡に使った時間の割合と並べます

3. 直近1年に受注した新しいお客様が、紹介、問い合わせ、こちらからの連絡のどれから始まったかを書きます

ファネル分解の記事では、週や日の中で新規開拓と既存顧客のフォローの時間を分ける「時間ブロック制」を挙げました。書き出した時間を見て、新しいお客様への連絡の時間を週の予定に先に入れられそうなら、営業代行を頼む前に、時間ブロック制を自社で試せます。

自分で連絡するときも、広告のメールと電話の勧誘の決まりを先に確かめる

自社で新しいお客様にメールや電話で連絡するときも、送ってよい相手と、断られた相手を外す手順を、連絡を始める前に決めておきます。ここで決めた手順は、あとで連絡を営業代行に任せるときにも、そのまま渡せます。

広告や宣伝のメールは、特定電子メール法で、原則として事前に同意した相手にだけ送れます。アドレスをインターネットで公表している会社には同意がなくても送れますが、公表したアドレスの近くに広告メールお断りの表示がある会社には送れません(第3条、施行規則第3条)。

送るメールには送信者の名前と受信を断る連絡の受け付け先を書き、断る連絡を受けた相手には、それ以降送りません(第3条第3項、第4条)。

電話で勧誘するときは、売る商品やサービスを相手が事業に使うのかを確かめておきます。相手が事業のために結ぶ契約には、特定商取引法の電話勧誘販売の規定(勧誘の前に名乗ること、断った相手に勧誘を続けないこと)は適用されませんが、会社の名前で契約しても、主に個人や家庭で使う商品やサービスなら、原則として適用されるためです(第26条第1項第1号、消費者庁の通達)。

4. どこまで自社でやり、どこから外部に頼むか

時間の書き出しと、代行の費用が見合うかの計算までは自社ででき、連絡して商談の約束を取る作業は代行に頼むと早い

自社で進められるのは、営業担当の1週間の時間を書き出すことと、代行の費用が見合うかを計算することです。計算では、LTV(1社のお客様から取引が続く間に得られる粗利の合計)から1社の獲得にかけてよい費用を決め、代行を使ったときのCAC(1社の獲得にかかる費用)をその額以下に収めるのに要る受注と商談の件数を出します。

週の予定に連絡の時間を先に入れて続けられるなら、連絡そのものも自社で進められます。その場合は、アポイント数と獲得率を、連絡した会社の属性ごと、文面ごとに集計し、断られた理由も記録します。

外部に頼むと早いのは、新しいお客様に連絡して商談の約束を取る作業です。営業担当の全員が既存のお客様の対応に時間を取られ、新規開拓の時間を週の予定に入れても続かないときは、この作業を続ける人手が社内に足りません。営業代行に任せると、営業担当は商談と既存のお客様の対応に時間を使えます。

問い合わせフォームやメールで数百件送っても返信がなかった場合は、送り先と文面を変えずに送る作業だけを任せても、同じ結果になるおそれがあります。断られた理由を読んで、連絡する相手と伝え方を変える人が社内にいないときは、その役まで含めて外部に頼むと早く進みます。

社長か担当1人が連絡の時間を先に確保できるなら社内で進め、できないなら外に頼む

選択肢向いている会社進め方と注意点
自分で進める新しいお客様への連絡の時間を、社長か営業の責任者が週の予定に先に入れられる会社ですアポイント数とアポイント獲得率を、連絡した会社の属性ごと、文面ごとに集計し、断られた理由も記録しながら進めます
社内で担当を決める営業担当が複数いて、そのうち1人を新しいお客様への連絡に充てられる会社です担当が連絡に使う時間を、既存のお客様の対応とは分けて先に決めます。担当が既存のお客様の対応に戻されると、連絡が止まります
外に頼む営業担当の全員が既存のお客様の対応に時間を取られている会社、どんな会社なら商談になるかを、結果から読み取れない会社です相手と伝え方を変える人が社内にいないまま連絡の作業だけを頼むと、社内にも代行会社にも、その役を受け持つ人がいない状態になります。断られた理由の記録と翌週に変えることを、報告に含めてもらいます

5. 外部に頼むときの3つの頼み方

営業リストと文面が決まっていれば連絡だけか商談の設定までを、決まっていなければ設計から頼む

アウトバウンド営業を頼める相手には、営業代行の会社、電話での連絡を請け負うコールセンターの会社、個人で営業代行を請け負うフリーランスがあります。頼み方は、大きく次の3つに分かれます。

頼み方何を頼むか納品物向いている会社
連絡の作業だけ自社で決めた営業リストと文面で、電話やフォームでの連絡を行ってもらいます連絡の記録です営業リストと文面が決まっていて、連絡を続ける人手が社内に足りない会社です
商談の設定まで連絡に加えて、相手の都合を聞いて商談の日時を決め、営業担当に引き継いでもらいます連絡の記録と、設定した商談を並べた表です商談に出る営業担当はいるが、新しいお客様との商談が足りない会社です
営業リストと文面の設計から見直しまで連絡する相手と伝え方を一緒に決め、連絡と商談の設定を行い、断られた理由から毎週営業リストと文面を直します営業リスト、文面とトークスクリプト、連絡と断られた理由の記録、設定した商談、毎週の結果レポートですどんな会社なら商談になるかが分かっていない会社、反応がなかった理由を、社内で読み取れない会社です

私たちのアウトバウンド営業代行は、このうち「営業リストと文面の設計から見直しまで」に当たります。

代行会社の担当者には自社から直接指示を出さず、伝えたいことは代行会社の責任者を通す

営業代行に頼んだあとも、トークの直し方や、どの会社から連絡するかを伝えたい場面はあります。そのときは、定例の場などで代行会社の責任者に伝え、責任者から担当者に指示してもらいます。

自社が代行会社の担当者に営業の対応方針を直接指示していると、契約が請負の形でも、実態として労働者派遣事業と判断されるおそれがあります(昭和61年労働省告示第37号、厚生労働省・都道府県労働局のガイド)。

担当者から聞かれて、業務に要る範囲で情報を伝えるだけなら、直ちに労働者派遣事業と判断されるわけではありません(同じガイドの問答)。

頼む前に、営業候補先の条件と伝えたいことをまとめ、渡す名簿の扱いを契約で決めておく

決めておくもの中身
営業候補先の条件これまでに受注した新しいお客様の業種、規模、地域と、そこから決めた条件です
伝えたいことと、よく受ける質問への答え自社の商品やサービスで相手の何が変わるかと、商談の前によく聞かれる質問への答えです。代行会社がトークスクリプトを作る材料になります
営業の対象から外す会社取引中の会社、商談中の会社、過去に連絡を断られた会社です。広告のメールの受信を断る連絡を自社と代行会社のどちらが受けても、もう一方にすぐ伝えて送り先から外す手順も決めておきます
商談を受ける営業担当と日時設定された商談に出る営業担当と、商談を入れてよい曜日と時間帯です
「商談1件」の数え方相手の役職や、何を話す約束が取れたら商談1件と数えるかです

営業代行に渡す名簿は、連絡に要る項目と、営業の対象から外す会社との照合に要る項目に絞ります。取引先の担当者の氏名が入った名簿を渡すことは個人データの取扱いの委託に当たり、担当者本人の同意は要らない代わりに、自社は代行会社を監督する義務を負います。渡す項目を絞っておくと、代行会社が扱う個人データも少なくなります。

契約では、代行会社が名簿を任せた業務の外で使わないことと、連絡の作業をさらに別の会社や個人に任せるときは事前に報告を受けるか自社が承認することを決めておきます(個人情報保護委員会のガイドライン通則編)。

6. 費用

自分で進める場合も、営業担当が連絡に使う時間の分の人件費は獲得の費用に入るので、代行に頼む場合と同じ計算で見合うかを確かめる

自分で進める場合、連絡の記録はExcelやGoogleスプレッドシートで足ります。費用として見込むのは、営業担当が新しいお客様への連絡と記録に使う時間の分の人件費です。

この人件費も、代行に払う料金と同じく、CAC(1社の獲得にかかる費用)に入ります。そのため、自社で連絡を続ける場合も、CACを1社の獲得にかけてよい費用以下に収められるかを、代行に頼む場合と同じ計算で確かめます。

料金は、月額固定なら稼働時間で、成果報酬なら「商談1件」の中身をそろえて比べる

月額固定の料金は、月の稼働時間や電話をかける数の上限を決めて、毎月同じ額を払う料金で、月額に含まれる稼働時間が会社によって違います。月額固定の見積もりは、月額を稼働時間で割って比べます。成果報酬の料金は、何を「1件」と数えるかで金額が変わるので、相手の役職や商談の形をそろえてから比べます。

比較サイトのBOXILが営業代行の費用相場を主要34サービスで調べた記事(2026年5月1日更新)によると、料金の決め方と幅は次のとおりです。

  • 料金の決め方は、月額固定、月額固定と成果報酬の組み合わせ、成果報酬だけの3つに分かれます。
  • 月額は、月額固定では月27万円から50万円が中心で、組み合わせでは月5万円から10万円の固定費に成果報酬を加える形です。
  • 成果報酬は、商談1件あたり1万5,000円から2万円が中心です。
  • 最低契約期間は、3か月から6か月が中心です。

この幅を目安に、最低契約期間の分の料金の合計に、ほかに獲得にかかる費用を足し、1社の獲得にかけてよい費用で割ると、CAC(1社の獲得にかかる費用)をその額以下に収めるのに要る受注の件数が分かります。1社の獲得にかけてよい費用は、LTV(1社から取引が続く間に得られる粗利の合計)の3分の1が目安です。

毎月の料金は、営業担当が新しいお客様への連絡に使っている時間を人件費に直した額とも比べて、頼むかどうかを判断できます。

私たちのアウトバウンド営業代行は、基本プランに加える業務代行として、月額35万円からお受けしている

私たちは、マーケティング支援の基本プラン(月額4万円から)に加えて、必要な施策をプロジェクト単位でご発注いただく形(プロジェクト発注)で受けています。営業や採用などの実作業を私たちが行う業務代行も、このプロジェクト発注の形の1つです。

アウトバウンド営業代行は、この業務代行として、0.5人月(1人が1か月働く量の半分)の単位でお受けしています(月額35万円から)。営業リストと文面の型づくりから、連絡と記録、断られた理由の整理、商談の設定、毎週の結果レポートまでを担当します。

7. 目標にする数字と、納品物の確認のしかた

目標は、設定された商談の数と、そこから受注した数を、頼む前の自社の数字と比べて決める

連絡への反応の割合は、商材と連絡する相手によって変わります。私たちの問い合わせフォームでの連絡でも、成果は連絡した会社の属性によって違いました。そのため目標は、頼む前の自社の数字を出しておき、それと比べて決めます。

目標測り方見方
設定された商談の数月ごとに数えます頼む前の、新しいお客様との商談の数と比べます
商談から次に進んだ数と、受注した数商談ごとに、見積もりや次の打ち合わせに進んだか、受注したかを記録します商談の数が増えても次に進む割合が下がっていれば、連絡する相手か「商談1件」の数え方を見直します
営業担当が商談と既存のお客様に使えた時間頼んだあとの1週間の時間を、同じ分け方でもう一度書き出します頼む前に書き出した時間と比べ、商談と既存のお客様の対応に使えた時間が増えたかを見ます
断られた理由の内訳理由ごとの件数を月ごとに数えます多い理由に合わせて、文面か連絡する相手を変えたかを見ます

続けるか見直すかは、契約の前に決めた時期と数字で判断する

契約の前に、判断する時期と、そのときに見る数字を代行会社と決めておきます。決めた時期に数字を見て、続けるか、連絡する相手や文面を変えるか、やめるかを判断します。

判断の時期は、最低契約期間と、商談から受注までにかかる期間を見て決めます。受注までの期間が長い商材では、受注の数より先に、商談から次に進んだ数で判断します。

納品物では、断られた理由と翌週に変えることが報告に書かれていることを確かめる

確かめること見方
連絡の記録に、連絡した会社、日付、手段、相手の返事があるか連絡した会社の属性ごとに、アポイント数とアポイント獲得率を集計できるかを見ます
断られた理由が記録されているか「不在」「担当者が不明」のように担当の方と話せなかった記録と、相手が挙げた断る理由が分けて書かれているかを見ます
毎週の報告に、翌週に変えることがあるか営業リスト、文面、連絡する順番のどれを、どの理由で変えるかが書かれているかを見ます
断られた相手と、営業の対象から外す会社に連絡していないか外す会社として渡した会社と、受信を断ると連絡してきた相手が、次の連絡の対象に入っていないかを見ます
設定した商談の引き継ぎに、相手の状況が書かれているか相手の会社で今起きていることと、商談で聞きたいと言われたことが、営業担当に渡されているかを見ます

断られた理由と、翌週に変えることが報告に書かれていれば、代行をやめたあとも、どんな会社に何を伝えれば商談になるかを、自社の営業が引き継げます。

ローカルグローススタジオの観点

マーケティング施策の全体像 〜BtoBとBtoCの違いを理解する〜では、フォーム営業とテレアポのポイントとして、自社のサービスが相手のニーズに合う企業を選ぶこと、相手のニーズに合わせた文面やスクリプトを作ること、事前に情報を集めて相手に合わせた会話をすることの3つを挙げました。

営業代行に連絡の作業を任せても、どの企業を選び、何を伝えるかは、頼む会社が受注してきた理由をもとに決めます。そのため私たちのアウトバウンド営業代行は、営業リストと文面の設計から見直しまでを受け持ち、誰に何を伝えるかは頼む会社と一緒に決めて、次の順で進めます。

1. 営業リストと文面の型を作り、まず小さく送って反応を測ります

2. 断られた理由を記録し、トークを工夫すれば商談にできる相手と、対象から外す相手に分けます

3. 成果が出た進め方を、連絡を担当する全員の進め方にそろえ、毎週の定例で営業リストとトークを更新します

営業候補先の条件を受注先から決め直すための顧客分析・ターゲット設定と、法人番号で重複をまとめ、更新の手順まで含めて作る営業リスト作成も、別のメニューとしてお受けしています。

事例

関西の会社への連絡では、相手の会社で最近起きた出来事をもとに、送る相手、文面の書き出し、送り直す時期を決めた

私たちは2026年5月末に営業の拠点を大阪の関西支社に移し、大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良の会社に、問い合わせフォームとメールで連絡してきました。連絡の目的は契約ではなく、一度伺ってご挨拶する面談の約束です。

文面の冒頭には、2025年1月以降に相手の会社で起きた出来事のうち、関西での拠点の新設や移転、新しい事業、事業の承継、募集中の求人のように、人が要る時期を示す出来事を優先して書きました。2文目には、その出来事に対して私たちが何をお手伝いできるかを書きました。

出来事が見つからない会社と、問い合わせフォームの本体かその前後に営業のお断りが書かれている会社には送りませんでした。送る前には、1社ずつフォームを開いて確かめました。

1回目に反応がなかった会社には、前回の連絡から6週間以上たち、前回の連絡のあとの日付で起きた出来事が見つかった場合だけ、その出来事を冒頭に書いて送り直しました。送り直して面談につながった例があります。

自社で進められることと、相談したほうが早いこと

営業担当の時間を書き出すこと、代行の費用が見合うかを計算すること、アポイント数と獲得率を集計することは、専門家に費用を払わずに自社で進められます。

  • 営業担当の1週間の時間を、既存のお客様の対応、商談と提案、新しいお客様への連絡、社内の仕事に分けて書き出します
  • 今期の計画で新しいお客様からの売上を何割にするかを書き、新しいお客様への連絡に使った時間の割合と並べます
  • LTV(1社のお客様から取引が続く間に得られる粗利の合計)を出し、その3分の1を目安に1社の獲得にかけてよい費用を決めて、営業代行を使ったときのCAC(1社の獲得にかかる費用)をその額以下に収めるのに要る受注と商談の件数を計算します
  • アポイント数と獲得率を属性ごと、文面ごとに集計し、断られた理由を記録します

ここまでを自社で進めておけば、代行会社に頼むときに、任せたい連絡の量と、CACをかけてよい費用以下に収めるのに要る受注の件数を、自社の数字で伝えられます。

一方で、外部に頼むほうが早く進むのは、次のような状況です。

  • 営業担当の全員が既存のお客様の対応に時間を取られ、新規開拓の時間を週の予定に入れても続かないときです
  • 問い合わせフォームやメールで営業の連絡を送っても反応がなく、どの相手と伝え方を変えればいいかを結果から読み取れないときです
  • 新しいお客様との商談を毎月決まった数だけつくり、営業担当は商談と既存のお客様の対応に専念したいときです

私たちはアウトバウンド営業代行を、基本プラン(月額4万円から)に加えるプロジェクト発注の業務代行として、0.5人月単位(月額35万円から)でお受けしています。営業リスト、文面とトークスクリプト、連絡と断られた理由の記録、商談の設定、毎週の結果レポートを担当し、誰に何を伝えるかは頼む会社と一緒に決めます。

アウトバウンド営業代行は、業務代行のメニューとしてプロジェクト発注のページに載せています。営業担当の時間を書き出し、アポイント数とアポイント獲得率を集計してみて、連絡の時間が社内で取れないときや、断られた理由から伝え方を変える人が社内にいないときは、よかったらご相談ください。

参考資料

まとめ:営業担当に新規開拓の時間がないときは、商談の約束を取るまでを任せ、断られた理由の記録を自社に残す

営業担当が既存のお客様の対応に追われ、新しいお客様に連絡する時間がないときは、商談の約束を取るところまでを営業代行に任せ、営業担当の時間を商談と既存のお客様の対応に使えるようにする方法があります。目標にする数字は、設定された商談の数と、そこから受注した数です。

最初の一歩は、営業担当の1週間の時間を書き出し、新しいお客様からの売上の計画と、連絡に使っている時間の割合を並べることです。連絡の時間を週の予定に入れられそうなら、まず自社で試せます。

試しても続けられないときや、断られた理由から相手と伝え方を変えられる人が社内にいないときは、外部に頼んだほうが早く進みます。頼むときは、営業候補先の条件、伝えたいこと、営業の対象から外す会社、「商談1件」の数え方を先にまとめておき、それをもとに、誰に何を伝えるかを代行会社と一緒に決めます。

料金は、月額固定なら稼働時間で、成果報酬なら「商談1件」の中身をそろえて比べます。

納品物では、連絡の記録に断られた理由が書かれていることと、毎週の報告に翌週に変えることが書かれていることを確かめます。その記録が自社に残れば、どんな会社に何を伝えれば商談になるかを、代行をやめたあとも自社の営業が引き継げます。

「ビジネス知の機会格差をなくす」という私たちのミッションに向けて、これからも実践的で価値ある情報を発信していきます。この記事の内容について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひご連絡ください。